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  1. 鳥取県議会 2022-02-01
    令和4年2月定例会(第7号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号「令和4年度鳥取県一般会計予算」から第21号「令和4年度鳥取県営病院事業会計予算」まで、第34号「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」から第70号「鳥取県福祉のまちづくり条例の一部を改正する条例」まで及び第72号「包括外部監査契約の締結について」を一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  17番濱辺義孝議員 ◯17番(濱辺義孝君)(登壇、拍手)皆様、おはようございます。公明党の濱辺義孝でございます。戦火が広がるウクライナ情勢において、即時停戦を心よりお祈りいたします。また、犠牲になられた皆様に心より御冥福をお祈り申し上げます。  また、本日は3月11日、東日本大震災から11年、犠牲になられた皆様に心より御冥福をお祈り申し上げます。  新型コロナウイルス、オミクロン株の急激な感染で、医療、介護、教育など現場で支えていただいている皆様、知事はじめ県職員の皆様、御尽力をいただいている関係者の皆様、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。  それでは、通告に従い、質問をさせていただきます。  初めに、福祉作業所における就労支援について伺います。  2月25日に開催された福祉生活病院常任委員会で、福祉保健部障がい福祉課から令和4年度当初予算、障がい者のはたらき・自立のための工賃向上事業の説明を受けました。  この事業は、平成30年度からの第3期工賃向上計画を踏まえ、障害者就労継続支援事業所に対して各事業所の特性に応じた支援を実施する事業であり、特定非営利活動法人鳥取障害者就労事業振興センターコーディネーターを配置し、支援するものです。主な事業内容は、1、総合相談窓口の機能充実、事業所の情報収集、分析、2、第3期工賃向上計画に沿った支援など様々ございますが、5本の柱からも、障がい者のはたらき・自立のための工賃向上事業は、事業内容それぞれが大切なものだと思います。第3期工賃向上期間は平成30年から令和5年で、令和4年度は期間の終盤となり、仕上げの期間になると考えます。  この事業に係る福祉事業所の代表者のお話を聞きますと、コロナ禍のためか、仕事が減り、利用者が減り、運営面で厳しくなってきているとのお話でありました。  そのような中で、令和2年度の工賃月額は1万9,203円で全国第7位、工賃支払い総額、利用者延べ人数とも過去最高となったとの説明を担当課から聞きました。共同受注作業場のワークコーポとっとりの平均工賃は、スタート当時の平成27年度の約1万1,000円から毎年業績を伸ばし、特に令和2年度は、コロナ禍にもかかわらず、約6万8,000円とすばらしい実績を積まれました。この報告をお聞きしたときに大変感動しました。このワークコーポとっとりは、日本財団から支援をいただき、全国でも例を見ない衛生管理が整った共同受注作業場として実績を伸ばされたという報告を聞き、改めて感動した次第であります。  令和2年度、コロナ禍の中で、工賃月額約1万9,203円、全国7位の成果が上がっていますが、環境の厳しい中でどのように取り組まれ、業績を伸ばされたのか、知事に伺います。  私は、障害者の働き、自立のための工賃向上を推進していただく鳥取県障害者就労事業振興センターの事務局長に、県内の事業所の支援状況、人材育成の研修会の実施など、先を見据えた取組のお話を伺いました。鳥取県障害者就労事業振興センターは、工賃3倍計画目標達成に向けて、重要な役割を担っていただいています。平成16年に設立され、約20年間、工賃3倍計画の牽引力となり、御尽力をいただいてきました。  この振興センターは、総合窓口、事業コーディネーター、ワークコーポとっとり運営、農福連携などの役割を担う11人の職員がおられます。コロナ禍で社会活動、経済状況も変化する中、様々な課題解決、また、工賃向上の目標達成に向けて事業を推進する上では、振興センターの職員の能力向上は欠かせない課題であり、人材育成は必須であると考えます。振興センターにおいても人材育成に取り組んでおられるところではありますが、県として、工賃向上を強力に推し進めるためには、県内の各事業所を巻き込んで推進できる力を持った職員の育成に向けた取組へ支援が必要と考えます。工賃3倍計画目標達成に向けて、就労事業センターを交えた取組について、どのように考えておられるか、知事に伺います。  鳥取県障害者就労事業振興センターの事務局長に他県の障害者就労事業振興センターとの連携があると伺いました。我々の任期もあと1年となりました。任期内に障害者の就業機会の確保と工賃向上をさらに推進するためには、県内だけの取組では限界があると考えます。他県との連携強化にネットワークを構築し、他県のよりよい先進的な取組の情報交換や共同して人材育成を図るなど取り組まれてはどうでしょうか。知事に伺います。  次に、中山間地域の振興について伺います。
     中山間地域の振興については、今日まで多くの議員が質問されています。今回の質問は、令和3年5月を調査期日として実施された鳥取県山間集落実態調査の結果を受け、これからの中山間地域の振興にとって大切な調査結果と思い、質問させていただくこととしました。  1月22日の日本海新聞に鳥取県山間集落実態調査の記事が掲載されていました。その記事によると、「1、調査対象は16市町の山間部の谷あいの奥地に位置する集落。2、調査日程は令和3年5月、2,379世帯を対象に実施。1,776世帯から回答、回答率は74.7%。平成28年の前回調査111集落に2集落追加した113集落の人口の動向を見ると、前回調査よりも840人減少、高齢化率は前回、平成28年の45.5%から49.8%に上昇。3、集落に住み続けたい理由、先祖から受け継いだ田畑、山林がある、先祖の墓がある、仏壇や位牌の移動先がない、自然環境がよいなど。集落外にいる子や孫が将来帰ってくる予定とした世帯は9.8%にとどまった。56.6%が帰ってこないと回答。中山間地域政策課は、「デジタル化や移住者の受入れ、近隣の集落も含めた小さな拠点づくりを進め、住み慣れた土地で安心して暮らせるようにしていきたい」としている。」  この記事を見たときに、私自身、議員になる前に1年半ほど鳥取市の中山間地域の調査員をし、地域の行事、ワークショップなどに出向き、活動したことを思い出しました。当時でも中山間地域の人口減少、少子高齢化は急激に進んでいることを感じていました。  日本海新聞の記事の中では、デジタル化、移住定住の受入れ、小さな拠点づくりなどの取組のコメントが掲載されていました。これまで県は、中山間地域の人材育成・確保事業、交通、買物など地域の振興、活性化に向けて取り組んでこられました。鳥取県山間集落実態調査結果により見えてきた課題と、これからどのように取り組まれるのか、知事に伺います。  鳥取県には、中山間集落の暮らしを確保するための手段として、小さな拠点づくりを核とした生活支援システムをモデル的に構築する事業があります。この事業は、小学校校区を範囲とした生活圏で生活に困らないための仕組みをつくる事業です。先日の藤縄議員の代表質問の中で、人口減少社会における集落の存続に向けての知事の答弁で、小さな拠点の確保、みんなで支え合う体制をつくると言われていました。また、新年度もサポートの強化に取り組んでいくとも言われていました。小さな拠点づくりは、中山間地域の課題解決に希望の持てる事業だと思います。現状と今後の取組について知事に伺います。  令和4年度当初予算で特定地域づくり事業推進支援事業があります。地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律に基づくこの事業は、人口急減に直面している地域の事業者が特定地域づくり事業協同組合を設立し、地域づくりの人材の確保などを図り、地域社会の維持、経済の活性化に資する取組を国及び市町村と連携し支援する事業です。また、令和3年度予算に多様な雇用機会創出促進事業労働者協同組合法に基づく持続可能で活発な地域社会を実現する取組のための事業も取り組まれました。人口減少、少子高齢化が急激に進む中山間地域の活性化に取り組むためには、これら国の事業を積極的に活用し、取り組むことが必要だと感じます。  取組状況は、市町村職員、団体、事業者に対して説明会の開催などを行い、周知されていますが、中山間地域の状況を考えたときに、説明だけで待っているだけでは地域の課題解決、振興は進まないのではと危惧いたします。人口減少、少子高齢化が急激に進む中山間地域への課題解決の対策に積極的に取り組むためには、市町村とよく協議、連携をして、県、市町村の職員だけではなく、専門のサポーター、コーディネーターなどを地域へ配置し、取り組む体制強化が重要と感じますが、知事に伺います。  県では、中山間地域振興の推進に向け、東部振興事務所、中部総合事務所及び西部総合事務所に中山間地域振興チーム日野振興センターに中山間地域連携担当を設置し、市町村の取組支援を行うとともに、関係部局間の相互連携の下、ハード、ソフト両面における地域づくり施策を推進、さらに、部局横断的な組織として、本庁の中山間・地域交通局と地方機関の中山間地域振興チームなどをメンバーとした中山間振興統括本部を設置されています。中山間地域の課題について、本庁及び地方で一体的に取り組み、各地域で取り組んでいる施策を横展開し、移住定住対策及び関係人口の創出、拡大については、交流人口拡大本部が主体となって推進するとしています。  このように組織したチームの横展開の結果、機能、取組状況とその実績、評価、今後どのようにしていくべきか、知事の考えを伺い、壇上での質問とさせていただきます。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、冒頭、ウクライナの侵攻につきましてお話がありました。私のほうからも、今、亡くなられておられます方々の御霊を心よりお弔い申し上げますとともに、さらに、この戦火が一日も早くやむことを願ってやみません。公明党さんは平和というものを旗印にされてこられました。志を世界中で固めながら、平和実現に向けていければというふうに考えております。  また、本日は、東日本大震災から11年目ということになりました。しのばれる命、御霊を心よりお悔やみを申し上げたいと思いますし、今、まだ復興が半ばでございます。福島あるいは岩手、宮城、それぞれに今なお厳しい状況を抱えながら進んでいるわけでありまして、我々としても今後ともできる限りの支援を考えていかなければならないと思います。  また、オミクロン株を中心としました新型コロナにつきましても、ねぎらいのお言葉をいただきましたこと、私ども、スタッフを代表しまして感謝を申し上げたいと思いますし、医療従事者あるいはエッセンシャルワーカー、それぞれに頑張っておられる皆様に感謝を申し上げたいと思います。  昨日、夜までかかりまして調べた結果ではありますが、60名の陽性者ということでございました。東部地区には36名、また、西部では24名、中部はゼロ名でございました。1月9日以来の感染確認なしということでありますが、実は木曜日は診療機関がお休みということもございまして、比較的少ない日の曜日でございます。また今後とも気を抜くことなく対処してまいりたいと思います。  まず、福祉作業所につきましてお尋ねがございました。工賃月額の向上に向けて、どのようにして実績が上がってきたのか、今後どう取り組んでいくのか、また、障害者就労事業振興センターの人材育成であるとか、あるいは他地域、他県とのネットワーク構築なども含めて取り組んでいくべきではないかということでございます。  これにつきましては、議員のほうでも度々取り上げていただき、我々も関係者と改善を図りながら進めてまいりました。直近のデータでは、工賃は1万9,200円ということでございまして、その前の年を若干下回っていますけれども、ただ、我々が重視しているのは工賃支払い総額でございます。これは6億5,000万円になりまして、平成18年から比べますと3倍ということになりました。これは前年よりも増やしています。コロナの中でも増やしているので、そういう意味では、皆さん、事業所も頑張られた成果だと思いますし、議員がおっしゃった振興センターも力を発揮していただいたことの成果だと思います。  ありがたいことに3万4,000人の方がこの事業所のほうに参加をされました。これも平成18年から比べますと1.7倍に増えています。参加者が増えたので工賃が増えたわけでありますけれども、割り算をした工賃の1人の額というものが平均で減っているように見えるわけでありますが、ほぼ横ばいでございまして、ですから、3倍計画を立てましたが、支払い総額で見ていただければお分かりいただけますように、みんなで頑張って、そのぐらいのパイはつくってくることができたと思います。これからさらにそうして参加者も増えてくる中で、しっかりとそれを受け止めていけるような、さらに上を目指していかなければいけないのだと思います。  今、重要なのは、新型コロナの中で、どういうふうに展開していくかでございますが、例えば青少年ピアサポートさんでは飲めるチーズというのを開発される。それを県のほうでも応援をする。こういう新商品開発に向かわれたりしました。  また、フェリースさんでは、ここはジェラートをやっておられますけれども、百貨店向けの高級ジェラートに挑戦をされる。それを応援するという形にさせていただいております。  また、農福連携も前に進んできておりまして、例えば淀江作業所さんではニンニクの選別作業をされるのですが、その計量器について支援を申し上げて、それをまた使われて収益を上げようということにされています。  こういうように新しい挑戦も、コロナの中でもできることはいろいろとあると思っております。そういうことを目指してやっていきたいと思いますし、経営上難しいところにつきましては、国のほうの支援制度もありますが、そこから抜け落ちるところを中心としまして、県のほうの単独支援も用意をさせていただきました。何とか次のステップに向けて、歯を食いしばってみんなでやっていこうというところであります。  そういう中、障害者就労事業振興センターは重要な役割を果たしておられますが、あいサポート運動が始まる直前だったですけれども、平成21年7月に西部のほうで伸びのびトークというのをやりまして、障害者の就労施設の皆さん、あるいは振興センター、こうしたところで率直な意見交換をさせていただきました。これが議員がおっしゃる今の3倍計画がある意味順調に成果を上げてきた最初のスタートだったと思います。そこで、発想を転換して、売れるものを作ろうと、収益を上げて、そこに就労される障害者の方も生きがいを持っていけるようにしようではないかと、それで融資制度であるとか補助制度というものをつくることにし、これが皮切りでありましたが、就労事業振興センターのほうでも例えばノウハウの伝授であるとか、専門家の派遣であるとか、そういうことをされるようになり、また、議員のほうでも御指摘ございましたが、最近は施設の経営だとかを総合的に支援できるようにしたり、それから、ワークコーポとっとりというのを経営することによりまして、幾つかの事業所の皆さんにまとめて大きなロットの仕事をしてもらうということに乗り出したわけであります。これによりまして、一定の賃金向上ということにつなげることができているということになりました。  そういう意味で、人材を育成しなければいけないので、議員がおっしゃるように、これは県のほうでもサポートしながらということでありますが、今、例えば日本財団のほうのこういう就労事業についての就労支援フォーラムというのがございますが、これに昨年度であれば延べ8名の方が参加をされておられます。また、最近は農福連携もあるので、福井県で行われた農福連携のそうしたセミナーに参画をしたり、いろいろと人材育成に向かわれるようになりました。今後ともサポートをしていければというふうに考えております。  また、都道府県振興センター等ネットワークというのをこのたびつくられまして、このネットワーク協議会、実は本県のほうの赤井事務局長さんが割と働きかけられて、県境を越えた全国の同じような事業をやっているところのノウハウを共有したり、人材育成などをやっていこうという趣旨でされています。これがこのたび立ち上がりました。隣の島根県であるとか、全国各地のものが入っております。こういうものもぜひ応援をしていきたいと思いますし、また、日本財団と連携をしながらまとめて全国で発注を受けると、それを県内の事業所でもやるということにも我々のほうで参画をさせていただいております。この仕組みによりまして、最近も、Sutudio-Eさんというデジタルを使った作業所でございますが、そちらのほうも受注して、例えば教科書データをPDF化するとか、そうした仕事をもらってくるようになりました。単県ではなかなか難しいこともありますので、議員がおっしゃるように地域間連携というのも重視してまいりたいと思います。  次に、中山間地域につきまして、何点かお尋ねがございました。山間集落実態調査で見えてきた課題、どういうふうに取り組んでいくべきなのか、また、小さな拠点づくり、それから、市町村とよく連携をしながら、専門のサポーター、コーディネーターを取り込んでやっていくことが重要ではないか、また、中山間地域振興チームを機能させていくことが重要ではないか、こういうようなお話がございました。  議員のほうでは、かねて鳥取市のほうでそうした集落支援に取り組まれたことで、実際現場も見ておられまして、今日も非常に説得力のあるお話をいただいたと思っております。  今回、度々議場でも取り上げられましたが、山間集落実態調査によりますと、86%の方が住み続けたいと言っておられまして、例えば交通のことだとか、買物のことだとか、そうした支援を上位で求めておられるということであります。したがいまして、そういうものに寄り添うような対策が必要でありまして、県のほうでもサポートをし、地元のほうでも担いでやっていっていただいているのですが、例えば日本交通の浜村営業所さん、タクシーが撤退をされるということになります。それで、AIオンデマンドタクシーをやろうではないかと。これは新年度で取り組もうということでございまして、それを気高とか鹿野の一部の地域で運用しようと。サブスクという最近新しい手法ですけれども、例えば月額幾らと決めて、4,000円、5,000円というふうな定額でお支払いをして、例えば口座引き落としみたいにして、それでAIオンデマンドで呼んで使えるような形をすると。このようなことをちょっと実証実験でやってみようではないかということになってきました。  これは同じようなことを智頭の例えば土師とか山形とか、そういうところで順次、今、試験をしているのですけれども、やはりAIオンデマンドタクシーの形式を使おうと。もともと防災関係で端末が各家庭にある。それを活用してそういうようなことをやってみてはどうだろうか。例えばこういうようなことでニーズに沿った対策というのを考えていこうということであります。  小さな拠点というのも議員がおっしゃるように非常に効果を発揮するものでありまして、最近でも昨年、旧の船岡保育園を中山間地の支援事業で改修をされまして、小さな拠点にするということになりました。ここでは例えば健康体操、百歳体操のようなこととか、あるいは交流サロンであるだとか、そうしたものを展開されたりしておられます。こういうような拠点の中で、みんなで支え合うような地域づくりをやっていくということなのだろうと思います。それが市町村と上手に結びつきながらやっていくこと、地域の人材にも入っていただいてやっていく、専門家も入ることが重要ではないかと、こういう発想でありまして、その意味で最近ちょっと注目に値するかなと思っているのは、倉吉市さんの今の動きであります。実は令和元年に国のほうの法律改正がありまして、社会教育法とか地方教育行政組織法が改正をされまして、いわゆる公民館を首長部局に移して展開してもいいですよということになりました。それで、倉吉市さんではコミュニティーセンターに自治公民館を当てるというように展開を変えられたのですね。これが言わばこういう中山間集落などの振興拠点になると。当然ながらいろんな人材が関わっていますし、公民館の職員の方などもおられる。自治公民館は倉吉の場合は町内会のような感じでございまして、要はみんなで支え合いながらそういう拠点を運営してコミュニティー活動をやるというもともと伝統があるわけですね。それで、今開かれている倉吉市議会のほうに今週提案されたのが、この自治公民館活動への加入を促進する条例をつくると、これが今、審議をされているところであります。  例えばこのような形で鳥取県らしく絆を生かした中山間地の集落の活動というものができないだろうか。これは議員がおっしゃったように、県のほうでも中山間地域の振興のためのサポートチームがございます。この中山間地域振興チームは各東・中・西、あるいは日野等にございますが、これをさらに組織化を強化して、代表質問以来、度々出ていますけれども、サポート組織を県庁としても再編成させていただこうというふうに思います。そうしたところに専門家の方も入っていただいてやってみてはどうだろうかということであります。  それで、気高の逢坂地区でもむらづくり協議会がございますけれども、あそこも例えば会下のところでは、金融機関と一緒になりまして、共生の里をされておられたり、またウグイ突きがあったり、それから、布勢の清水を守る会があって活動されている。こういうコミュニティーの活動がいろいろとあるところであります。そうしたものを応援しながらモデル事業的にやっていくということもあるのではないかと。こういうのを県もいろいろとお手伝いをさせていただくところを議員がおっしゃるように積極的に関わらせていただき、当然、市であるとか、逢坂地区の皆さんだとか、そうしたところで共同戦線を張って、モデルをまた横展開していくということを新年度はチャレンジをさせていただきたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)知事からそれぞれ答弁をいただきました。障害者の方の就労の支援ですとか、何回か議場で質問をし、提案させていただいて、本当に知事はじめ県職員の皆さん、それから関係者の皆さん、振興センターの皆さんもそうですけれども、思いを持って動いていただいているというのは強く感じているところであります。  また、今回、そういうことで、壇上での本問でも紹介しましたが、コロナ禍の中で、周りが厳しい中で、このように1万9,000円台の工賃を維持されているということは、そういう事業所にとっては喜ばしいことだと感じております。  また、先ほど言いましたけれども、共同受注作業所、実は報告を受けるまでは6万8,000円という月額工賃はちょっと分からなくて、以前に4万何ぼという記憶があったのですね。常任委員会で報告を受けたときに、6万8,000円ですかと。この額というのは本当にすばらしい月額だと思いまして、改めて聞かせていただいたわけです。コロナ禍がどこまで続くか分かりませんけれども、御尽力いただければと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  中山間地域の振興の件ですけれども、資料を見ても、いろいろと施策を講じて、中山間地域の振興については、私自身はよくやっていただいていると思っております。また、日本財団とのいろいろな共同プロジェクトでもかなり踏み込んだ支援がされていると思います。ただ、鳥取に来て、中山間地域の推進委員を1年半ほどしかやっていませんけれども、もう十数年前の話ですけれども、その当時もやはり人口減少はかなり進んでおりました。そして、地域に行って鳥取市の調査を説明し、調査の協力をいただき、そして調査の結果を説明しに行くのですけれども、やはり地域によってはかなり温度差がありました。元気な人のいるところは頑張ろうではないかというところもあれば、中には世帯が減り、人口が少なくなってきているところは、これ以上自分たちに何をしろと言うのだというような、正直、自分自身はそういう地域もあることを感じました。だからそういう地域の振興に携わるということは、やはりそれぞれの地域の中にしっかり入っていただいて、地域の方の話をよく聞いて進めていただきたい。誤った方向に無理やり進めるということはもう逆効果なので、やはりそこにはしっかりとした知識を持った、また専門家がサポーターとして入っていただいて、その地域に合った施策を講じていただきたいという思いでいっぱいであります。この調査でも現状が出てきました。今、それぞれ進めていただいていますので、県として、そういう中山間地域の振興チームがありますので、これからしっかりと推し進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、何点か追及の質問をさせていただきます。  初めに、福祉作業所の就労支援に係る総量規制について伺います。  担当の課から伺いますと、県内では約150の就労支援B型事業所があるそうです。本県の人口10万人当たりの就労支援B型事業所は21.9件で、全国では一番多い県になります。障害のある方々の自立に向けた就労を提供していただく場所が増え、これは喜ばしいことだと思っております。また、県の職員の皆さん、関係者の御苦労があればこそ、こういうふうに拡大してきたと思っております。  でもその反面、障害者の就労先である事業所が増えたことで、事業所の利用者の確保や運営など、多くの課題を抱えていることもあります。私自身、幾つかの事業所の代表者の方から話を聞かせていただきました。鳥取市の就労支援部会では、事業所をこれ以上増やさないでもらいたいという意見が出ているようです。また、事業所は定員割れをして、事業所が増え過ぎて行政の手が届かないという声もお聞きしました。  そこで、このような状況の中で、県は米子市、境港市において総量規制を試行されています。県としてこの総量規制の見直しを行い、今後の取組について検討されているということですが、現在の検討状況を知事に伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)B型の作業所の総量規制につきましてお話がありました。  これは以前も議会でちょっと取り上げられましたが、現在、米子市、境港市におきまして、事業所の数を増やさない、そういうことでの実証試験を3月31日までやってみようと、それでどういう影響があるのか見た上で、その後の対応を考えましょうということにさせていただいたところであります。要はちょっとサービスとして課題のある事業所が出るのではないかというような懸念の声が上がったことだと思います。それで、事業所の皆さんが中心になって議論をされて、市町村とも協議をしながら、では米子市、境港市でそういう試行をしてみましょうかということで始めました。  今、総括の時期に大体入っていまして、いろんな団体の御意見が出てくるようになっております。例えば手をつなぐ育成会であるとか、身体障害者の関係とか、いろいろ当事者団体の皆様のほうから多く出ているのは、数の規制は結局自由なサービスを受けることを阻害することにもなると、そういう発想の意見が実は少なからずあります。ただ、片方で、サービスの質の問題があるのであれば、それは別の意味で指導したらいいではないかというような御意見もまた出てきたりしています。事業所のほうはどちらかというと、それぞれの経営もあるものですから、あまり数を増やしたくないというのは、多分本音としてはあるのだと思うのですね。ただ、片方で、利用者の方々、先ほど申しましたように平成18年から比べたら1.7倍も参加者が今増えているわけでありまして、多様な受皿がやはり欲しいとか、自分たちが選びたいというのもあるわけですね。そこのところの競争は事業所にとってはちょっとつらいなというのはあるかもしれませんが、利用者にとってはむしろそれは当たり前ではないかという議論がある。ですから、そこをどうするかということで、実は今、関係者と議論させていただいています。それで、米子市さんだとか、境港市さん、地元の自治体などと調整をする中で、今、一つの方向性として考えつつあるのは、新規に開設をしようという場合には、地元の自治体でそれについて、これがサービス提供に足る能力、資格、内容があるかどうか、その辺は意見をつけてもらうと、その意見に基づいて、もし課題があるのであれば認めないというようなことをしてはどうだろうかと、今、そういうような調整案を軸に検討しようかというふうに動いているところであります。  ちょっとこれは関係者の意思統一にはまだ至っていませんが、両論がどうもあるようでありまして、ですからそこのバランスを取りながら、できるだけ障害者の方もいろんな社会参画の機会を得られる。それから、事業者側で懸念しているような全体としてサービスの質が低下することにならないようにする。そういう意味では、指導するだとか、場合によっては開設時にちょっと課題があるところは御遠慮いただくとか、組み合わせながらやっていくということなのかなと思っております。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)答弁いただきました。今、そういう検討をしているということで、しっかりと様々な方々の意見を聞きながら検討、また結論を出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  続いて、もう1点、中山間地域の振興について、追及質問をさせていただきます。  本問でも話をしましたが、デジタル化の推進であります。このデジタル化については、知事の答弁の中でもありましたけれども、医療、介護、教育、買物など様々な分野で期待されます。また、農業、漁業においてもデジタル化が活用されて、推進してきています。そして、私自身も常任委員会の視察で参りましたこういうデジタル化を活用したハウス栽培、イチゴであったりとか、また野菜であったりとか、これを活用すればそこにいなくても要はハウスの中の温度が分かったりとか、自然に温度調整をしてくれるとか、かなり就労に対して軽減される、厳しい仕事が軽減されるという本当にすばらしいデジタル化であります。  今回、行ったときに、若い人がこのデジタル化に取り組んでいることがありました。中山間地域の振興のために、デジタル化推進にどのように取り組まれるか、知事に伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)中山間地域振興につきまして、デジタル化を活用することは、一つのキーになるかもしれません。特に、今、デジタル田園都市国家構想を進めようと政府を挙げてやっておられまして、その思想としては、ノー・ワン・レフト・ビハインド、誰も取り残されないということを掲げていこうと、これは、それぞれの地域、どこでも同じようにデジタルを活用できると、これを目指そうと言っているので、中山間地、若い方々にとりましても活躍の場が広がったり、収益性も高まることになるのではないかと思います。  今おっしゃった農業の場面でも、例えば日南町のファームイングでは、いろいろとそうした農業機械を活用したデジタルを入れてやっていこうと。特に最近、衛星の画像なども解析して、例えば田中農場さんなどはそういうものを入れながら、いろんな専門の会社などの分析、解析も経て、宇宙とデジタルを組み合わせながら耕作管理をしていくと、これで収益性の高い作物の生産につなげていくと。また、林業の場面でもドローンなどを活用しまして山の状況を見たり、それから、例えばドローンを飛ばしてケーブルを渡して、それでロープウエーを使った森林伐採につなげていこうとか、いろいろと使い道はあるのだろうと思います。議員がおっしゃったように、こういう現代の技術革新を中山間地域の開発、あるいは若い方々の生きがいづくり、職場づくりに結びつけていければと考えております。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)今期もあと1年になりました。知事はじめ県の職員の皆様には、コロナの対策で本当に毎日忙しい思いをされていることと思います。何といっても健康が一番ですから、体があってこそ県民のために尽くせる。共々に健康に留意しながら、残り1年、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。11時より再開いたします。        午前10時50分休憩    ────────────────        午前11時00分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  19番興治英夫議員 ◯19番(興治英夫君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  今日は、東日本大震災、福島第一原発事故から11年目になります。被災して亡くなられた方々に哀悼の意をささげるとともに、原発事故により故郷を追われた皆様の生活の安寧と一日も早い帰還ができることをお祈り申し上げます。  今日は、原発のこと1点に絞って、知事に質問いたします。  島根原発2号機は、原子力規制委員会の新規制基準に適合し、次の局面は再稼働になりました。実に悩ましい問題です。  ウクライナに侵攻したロシア軍は、原子力発電所に攻撃を加え、制圧しました。チェルノブイリ原発は電力供給が遮断され、予備電源を使って使用済核燃料の冷却が行われており、電力供給を早急に復旧しなければ冷却ができなくなるおそれもあると報道されています。欧州最大級のザポロジエ原発でも停電が発生し、電力供給を非常用電源に切り替えたとの報道もありました。原発が攻撃対象になるということを初めて目の当たりにしました。両原発の安全を早く確保しなければなりません。ロシア軍の行為を厳しく糾弾するとともに、原子力発電所、そしてウクライナから撤退することを求めます。  中国電力との安全協定については、立地自治体に極めて近い内容に改定されることになりました。関係者の努力に敬意を表したいと思います。今後、この協定を基に、中国電力側に安全性の確保や情報公開を求めるなど、県として必要な対応を適時適切に行われることをお願いいたします。  さて、原発は、動かすのであれば、絶対に安全でなければなりません。そこで、今回は、安全性について、過去の裁判で指摘されたことやより一層の安全対策が必要ではないかと思われることについて取り上げます。  島根原発2号機は原子炉設置変更許可を得ました。現在は設計工事計画認可の手続が行われています。安全協定に基づいて、中国電力から鳥取県に対して改めて意見が求められております。前提条件であった安全協定の改定が行われる見通しとなったため、今後は、県としての意見の作成に向かっていくものと思われます。私自身もこの重要な問題について、自らの考えを整理しなければならず、今回の質問はそのための大事な判断材料とさせていただきたいと思います。  原子力規制委員会は、そのホームページで、新規制基準は原子力施設の設置や運転の可否を判断するためのもので、これに適合したことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありませんと述べています。また、原子力規制委員会の前委員長、田中俊一氏は、委員会は原発が規制基準に適合するかどうかを判断している。適合しているからといって安全とは申し上げませんとおっしゃいました。一旦事故が起こればとんでもない被害をもたらす原発を動かしてよいと判断できるのは、安全性を確保できるからです。しかし、新規制基準は原子力規制委員会自身がつくったものですが、そのつくった当事者が適合しているからといって安全とは言えないと言っている。そんな中で再稼働に対する判断ができるのかとの疑念を持たざるを得ません。新規制基準に適合したことをもって島根原発2号機の安全性が確保できたと言えるのかどうか、知事の認識を伺います。  また、県民の命と健康、暮らしを守ることを最大の使命とする平井知事の島根原発2号機の設置変更許可、再稼働に向き合う基本的な考え方について伺います。  福井県の大飯原発3、4号機に関する一昨年12月の大阪地裁判決は、関西電力に設置許可を与えた原子力規制委員会の判断について、看過し難い不合理があるとして、設置許可を取り消しました。争点は、関西電力が設定した基準地震動が適切だったかどうかです。基準地震動とは、発生する可能性のある地震の想定される最大の揺れで、原発の安全を確保する上で不可欠な施設・設備についての耐震設計基準となるものです。原発の安全性の根幹となる値です。大飯原発3、4号機の基準地震動は最大856ガルと設定され、ガルは地震の揺れの強さを表す加速度の単位です。関西電力は、それに基づいて安全対策を強化して許可申請を行い、原子力規制委員会はこれを許可しました。  判決で指摘されたのは次のようなことです。基準地震動の決め方について、新規制基準に適合したものかどうかを判断するために原子力規制委員会が作成した審査ガイドというものがあります。その中に、経験式を用いて地震規模を設定する場合には、経験式は平均値としての地震規模を与えるものだから、経験式の持つばらつきも考慮する必要があるとする記述があります。経験式とは、過去の規模の大きかった様々な地震の震源となった断層の面積と地震の規模、マグニチュードとの間の観測によって得られたデータを基に推測された関係を示すものです。経験式によって算出される地震規模は平均値です。  この記述について、判決では、福島第一原発事故を受けて、経験式から得られる平均値としての地震規模に何らかの上乗せをする必要性があるかどうかを検討すべきとの趣旨だと解釈をしました。その上で、関西電力の基準地震動は、経験式からくる平均値と乖離する観測データを検討すること自体をしていない。原子力規制委員会もその必要性を検討することなく設置許可を与えており、許可するまでの判断過程に看過し難い過誤、欠落があると指摘し、設置許可を取り消すべきとの判決を出しました。  国側は、審査は地震などの観測データにばらつきがあることを踏まえて行っているとし、その方法は、判決が指摘したばらつきに相当する数値を地震動評価に上乗せする方法ではなく、不確かさの考慮として行っているとして、昨年6月に大阪高裁に控訴し、現在、控訴審が争われています。  島根原発の基準地震動の決め方についても、判決にあるように、経験式の持つばらつきを考慮し、平均値に基づいて計算された地震動に上乗せをする必要があるか検討されれば、基準地震動が上振れし、より高い耐震基準が求められることになるかもしれません。そうすると、安全性が増し、原発事故を防いで、県民の命と暮らしを守りやすくなると思います。知事の所見を伺います。  また、基準地震動の計算の在り方に過誤があったとするなら、島根原発の設置変更許可や計画の見直しが必要になることも考えられます。併せて知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)興治議員の一般質問にお答えを申し上げます。  原子力安全対策につきましてお尋ねがございましたが、その前に、東日本大震災の御霊を私のほうからも心よりお悔やみ申し上げたいと思いますし、また、チェルノブイリあるいはそのほかの原発サイトも大変なことに今ウクライナはなっていまして、一日も早く兵を引くこと、この間の県議会決議のとおり賛同するものでございます。  チェルノブイリにつきましては、ロシア側はベラルーシの協力を得て電源を回復したというふうに主張しておりますが、正直、最近の報道は、何が本当で何が本当でないのかよく分からないところがあります。  いずれにいたしましても、昨日、IAEAが両国の外務大臣にこの原子力サイトの安全性につきまして申入れを行って、トルコに行かれました。それは聞き届けられたというふうにIAEAは言っておられますが、禍根を残すようなことがないように、これはやはり人道上の問題であり、地球社会全体の問題でありますので、ロシアはもっと冷静になるべきだというふうに強く願うところであります。  いずれにいたしましても、私ども、この島根原発2号機の問題が、今、目の前にございますので、その辺につきまして、今日、お尋ねがございました。  最初に、安全協定のお話がございましたが、御報告申し上げれば、昨日、中国電力の芦谷副社長と結びながら、伊木米子市長、伊達境港市長と一緒に改定協議に臨ませていただきました。本県のほうからは県議会での状況があり、また、米子市、境港市のほうからもそうした市議会の状況が報告をされ、基本的に了とされたということでありながらも、条件があると。それで申し上げたのが、事前報告という言葉になっているわけでありますが、取扱いとしては立地と変わらないのでしょうと、このことは文書をもって確認がぜひとも必要だと。これについては、芦谷副社長のほうから文書を回答として出すという確約がありました。  また、その場におきまして米子、境港両市長と協議をさせていただきましたが、この全員協議会でも、我々県議会でも議論がございました。事前に立入調査権、それから措置要求について、取決めをしておくべきではないかと。基本的な考え方は、我々は広域団体でありますので、両市の考え方を基本としながら、コンセンサスを得て、一体となってこの権限を行使していくということではないかと考えている、そのことを申し上げまして、これから例えば運用要綱だとか、そういう覚書的な何かをお互いに作成していこうと、この作業に入ることのお話合いをさせていただきました。  あわせて、費用負担につきましても重ねて確認を求めましたが、必要な経費については、今後、中国電力は安定的に資金を負担していくというお話があり、これについても何らかの協定の形を考えるべきだということになりまして、これはまた作業に入ることになるということであります。  したがいまして、改定協議会で一番の議題であります協定につきましては、調印するということで動ける状態になったということでありまして、議員もおっしゃったように、この点は一つクリアされた形になりました。  今、2号機の安全の問題につきまして、私たちは共に向かい合うことになりますが、興治議員と同じように、私も非常に悩ましい胸中でございまして、一つ一つ自分なりにも慎重に考えをまとめようとしているところであります。非常に技術的なこともありますので、局長の水中から詳細に答弁をさせていただきたいと思いますが、まずもって、これはお約束しなければならないかなと今お伺いをしていて思いましたが、今日、興治議員のほうから非常に技術的な課題につきましてもお話がございました。皆さんの御意見がそれぞれ出てくるでしょうから、それはそっくりそのまま専門の原子力安全顧問にもこの後、改めて投げさせていただきまして、可及的速やかにこの議場のほうなり議員のほうに還元をさせていただきたいと思います。お互いに悩ましいところでありますので、特に専門的知見が必要な分野でございますので、せっかく安全顧問がいらっしゃるので、もう1回お手を煩わせたいというふうに思います。そういうものを経ながら、最終的に我々は考えをまとめていくということになるのだろうと考えております。  また、両市の考え方も我々は共有しなければいけませんし、それから、両市にある安対協と言われます環境安全対策協議会が詳細なアンケート調査をされまして、これには等身大の地元の考え方が出ていると思います。これを変にまとめることなく、加工をなるべくしない形での生データというのをやはり議員の皆様と共有すべきだと事務局のほうには申し上げておりますので、届いているかもしれませんが、届いていなければ至急届けさせていただきまして、やはり一通りの材料を我々みんなで持って、それで最終的に考えていくというのが民主主義の姿ではないかというふうに思っております。そのことをまず申し上げておきたいと思います。  先ほど規制委員会の田中元委員長のお話を引かれながら、リスクがあるというようなお話のことがございまして、安全が確約できないのにやっていいのかということでありました。詳細は危機管理局長のほうからお話し申し上げますが、これもやはり正確に我々はちゃんと事実は受け止めなければいけないと思いますが、規制委員会は、従来の保安庁とは大分やり方を変えています。これは私自身の感想ですけれども、相当程度高いレベルでの水準を求めていることは間違いない。世界最高レベルというふうに言われていますのは、それは専門家の方々も認めておられますし、中身を見ても、実際、却下されたり、この中国電力も何度となく差し戻されていますので、それは慎重にやっておられるのかなというふうに受け止めております。  多分、田中元委員長がおっしゃったのは、科学者の良心として、もちろん最高水準のものをつくるわけだけれども、ただ、原発事故というのは本当に起きてしまうかもしれないと、そのときに多重防護で例えば避難であるとか、あるいは実際に放射能が出た場合のその後のそれを極小にとどめる措置だとか、事故がないという前提の下に立ったのが福島原発事故の間違いだったのです。ないという神話の下にやったものですから、その後の備えが何もできていなかったと。ですからそちらも含めた上で対策を取るべきだという専門家、学者の良心としてそういう表現をされているのだと思います。ですからそこはやはり我々も正確に受け止めていかなければいけないのかなと思っております。  ただ、その上で申し上げれば、科学というのは疑うことも重要であるというふうに思います。ですから、我々は素人ではありますけれども、私も実はコロナの分科会があったりしまして、そこで専門家に立ち向かうわけでありますけれども、素人だからこそ気がつけることもあるわけでありまして、やはりそういうことは検証してもらうというのは大事なことであります。ですから私どもも遠慮なく専門家の方々に言わば相談をしながら、言っていることは本当に正しいのだろうかということはチェックをしていかなければいけない。これがクロスチェックの重要性でありまして、原子力安全顧問の皆様にも一通り見ていただいたところでもございました。  そういうようなことを我々としては十分やりながら、最終的な結論というものを考えていくのだろうというふうに思います。ですから、言葉尻としてはリスクがあるとかないとかいうお話があったとしても、その意図しているところは、だからこそもっと多重に防御を講ずべきだという趣旨であると思います。そういう意味で、我々のほうでも、あってはならないことだけれども、避難訓練をきっちりやらなければいけないとか、それから、計画づくりに当たりまして、様々考慮を加えていくということが重要であり、それを一歩一歩また進化させていくということもやはり我々の責任ではないかというふうに思っております。
     そういうような考え方で、議員がおっしゃったように、規制委員会が審査結果として承認を与えたから、我々は白紙委任して丸のみするということではなく、我々もまた我々の目線で考えていくということが重要であり、そのための陣備えとして、専門家であるとか、住民の皆さんの意見の場だとか、そういうものをこれまでつくってきたということだと御理解をいただければと思います。  それから、地震動につきましてお尋ねがございました。これは議員もおっしゃったように大阪地裁で出た判決でございますが、これは控訴されていまして、今、高裁のほうで争われています。ですから双方の立場の話というものも聞かなければいけないことだというふうに思います。詳細については危機管理局長のほうからお話を申し上げますし、基準地震動の設定の仕方についてでありますが、これも専門家のほうで見ていただいていることは興治議員の目でも、本当にこの検証でいいのかなというのはまた見ていただければありがたいと思います。我々は議場で繰り返し宍道断層については議論してきましたし、宍道断層が中電の言うとおりでいいのかどうかというのは検証してくれと国に申し上げたいと、これは議場での御意見を受けて私も持っていきまして、現実に延長も延びましたし、600ガルだったものが820ガルまで増えているというのは我々が問題提起をした成果でもあろうかと思います。その中に、規制委員会側の審査としては、そのぶれの様相というのも実は入れて基準地震動を見ているのだというようなことの理解のようです。詳細につきましては、危機管理局長のほうからお話を申し上げたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)2点、島根原発2号機の安全性の確保と基準地震動の件について、補足の答弁をさせていただきます。  まず、1点目の島根原発2号機の安全性の確保ということでございますが、新規制基準につきましては、先ほど知事もありましたように、世界で最も厳しい水準の基準ということで、福島第一原発事故の教訓や世界の最新の技術的知見を踏まえて策定されておりまして、IAEAや諸外国の規制基準と照らして抜けがないかを点検しまして、それらを全部込めまして、世界で最も厳しい基準というふうにしております。このような基準で、原子力規制委員会のほうでは、福島第一原発が起きたときと同じ要因では事故は起きないというふうにしております。  ちなみに、基準の強化では、地震と津波による全電源の喪失について、それから炉心冷却機能の喪失、炉心損傷・水素発生、原子炉建屋への水素の漏えいと水素爆発、環境への放射性物質、これらについて基準が強化されております。さらに、世界の最新知見に基づく新規制基準として、意図的な航空機の衝突への対策、それから溶融炉炉心対策、いわゆる燃料が溶け落ちても格納容器を壊さないような対策、これらについても新たに付け加えられておるような状況でございます。このような重大事故が発生するため、対策の基準強化に加えまして、先ほど申しました重大事故発生時の対策やテロ発生時の対策、さらに敷地外への放射性物質が放出した場合の放射性物質の拡散を抑える対策を要求するなど、基準の強化が行われているところでございます。  しかしながら、先ほどありましたように、元原子力規制委員長がどれだけ新規制基準が強化されても原発の安全に終わりはないということは、これは先ほど知事が申しましたように科学者の良心でありまして、逆を言えば、安全神話につながるのでございます。それを厳しく戒めた言葉でございまして、どれだけ世界最高水準の基準であっても原発の安全性に終わりはないと、つまり安全と言えばそこでもう安全対策をやめてしまわなければいけなくなると、そうではないのだということを言うための言葉だったというふうに理解しております。  そのため、原子炉の規制法では、最新の知見が生じ、基準が変更された場合には、既に認可を受けている原子力発電所であっても、最新の新規制基準への適合を義務づける、例えば必要な場合は原子炉を止めてもう1回審査をするというふうなバックフィット制度なども導入されております。島根原発2号機については、7年という長期にわたりまして新規制基準への適合性審査を受けまして、相当に安全性は高まっているというふうな国の認識でございますが、中国電力には常に万全の安全対策を講じる等、不断に安全を求める姿勢を県としては続けていきたいと思います。  また、そのためには、県独自の確認ということで、先ほど知事から申しましたクロスチェックといたしまして、我々は新規制基準を黙認しているわけではございませんで、県の視点でもしっかりと確認しております。本県の独自の視点といたしまして、国の新規制基準の内容につきまして、原子力安全顧問による各部門、例えばプラントの専門家、それから放射線医療の専門家、モニタリングの専門家、地震の専門家と、多才な先生、顧問がおられますので、それらの先生方に逐一見てもらっております。国の確認とは別にクロスチェックを行っております。その方法といたしましては、中国電力からは国の審査会合の資料やその根拠となるデータについて説明を受けて、多面的にチェックしております。顧問会議を開いたり、あるいは先生が顧問ワーキングを開いてヒアリングをしたりとか、現地を見ていただいたりとかというふうなことをしておるところでございます。島根原発2号機の安全対策工事が今後も継続して進められていきますので、原子力安全顧問には国の審査とは別の専門的観点から継続して安全を確認してもらうようにしております。  次に、基準地震動の決め方でございますが、島根原発の基準地震動につきましては、先ほどありましたように、820ガルというふうな地震動が設定してあります。その決め方につきましては、国の地震調査研究推進本部が定めた経験式を使ってやっております。その方法につきましては、まずは島根原発の全体の地盤を調査して、その後、例えば断層の深さ、長さ、角度、方向、それらの全てのものを経験式に入れて計算するわけでございます。先ほど申しました審査ガイドというものは、規制庁の職員、審査官がどのような視点で審査をするかというものを規制庁自身がまとめたものでございまして、その審査ガイドに基づくと、例えばそれぞれの断層の長さ、断層の角度、それから深さとか、それらは全てばらつきがあるということで、保守的、いわゆる安全側に取って、それらを式に入れてやると。ただ、裁判では、審査ガイドの読み方を出てきた式にさらに上積みするというふうな方法でやられたのですが、規制庁の裁判での説明におきましては、そういうふうなやり方はこの経験式はやらないのだと。規制庁でも逆算してその成果が正しいかどうかやりました。その結果、それらの数値を入れてやると、例えば断層が長過ぎてしまうとか、あり得ない結果が出てしまうということで、経験式のやり方については、今言ったようなそれぞれ入れる数値の余裕をきちんと見てやっていくという方法でやっているところでございます。  このような解釈の違いが生まれてしまったのは、いわゆる国語の問題になってしまうのですけれども、この審査ガイドに読み方の違いがあるということで、この審査ガイドにつきましては、原子力規制委員会のほうで修正を行いまして、現在公募をやっているということで、5月頃に審査ガイドが修正されるというふうに聞いております。 ◯副議長(広谷直樹君)19番興治議員 ◯19番(興治英夫君)分かりました。  田中元委員長の発言については、科学者の良心としてやると、安全神話につながることを戒めたものということで、なるほどなと思って聞かせていただきました。  また、科学は疑うことが重要だと、素人だから気づくこともあるという知事の答弁がございましたけれども、私もそのとおりだと思います。科学者というのはやはり専門性がありますので、その専門性を背景に、何ていいましょうか、突き進むということがあるのだろうと思います。市民目線、常識の目線で見たときに、そこに乖離があるというようなこともあるのだろうと思いますので、今後、そういった目線を大事にしながら判断をしていきたい、またしていただきたいと思います。  市民目線で見たときに、幾つかまだ課題がございますので、追及質問を続けたいと思います。  島根原発の基準地震動820ガルの妥当性についてでございます。  政府の地震調査研究推進本部というのがありますけれども、その本部は主要活断層の長期評価をしています。それによれば、島根原発から2キロのところにある宍道断層は、地震の発生確率が最も高いSランクに位置づけられています。地震の想定規模はマグニチュード7.0程度もしくはそれ以上と見込まれ、30年以内の地震発生確率が3%以上となっています。  関西電力大飯原発3、4号機の運転差止めを認めた、先ほどの許可を覆した判決とはまた違うのですけれども、2014年の福井地裁の判決があります。当時、裁判長だった樋口英明氏は、退官後、「私が原発を止めた理由」という著書を表しています。それによると、先ほど来の基準地震動の計算方法についてでありますけれども、過去の地震の活断層の長さや面積に応じた平均的な地震の規模、いわゆるマグニチュードですけれども──に基づいた経験式で計算しており、最大の安全性が求められるべき原発の基準地震動の策定に用いるには根本的な誤りがあると主張しています。高度な安全性が求められる原発の耐震基準を定めるに当たっては、活断層と地震規模の関係の平均値ではなく、実際に起きた地震の最大のマグニチュードを結んだ線を最低限の地震規模として設定することが論理的であり、かつ科学的だと主張しております。最高度の安全性を確保するための理屈としてはうなずけます。  樋口氏が行った福井地裁の判決には次のように書かれております。基準地震動の信頼性についてですが、関西電力は、大飯原発の周辺の活断層の状況から地震学の理論上導かれるガル数の最大数値が700で、当時の大飯原発の基準地震動は700ガルでした。その後、先ほど申し上げたように、856ガルに変更されています。その最大数値700を超える地震が到来することはまず考えられないと関西電力は主張するが、現に全国で20か所に満たない原発のうち4か所の原発に5回にわたり基準地震動を超える地震が2005年から福島第一原発の事故のあった2011年までの間に到来しているという事実を重視すべきである。大飯原発の基準地震動の設定が基本的にはその4か所の原発におけるのと同様の方法で行われているのに、大飯原発のものだけは信頼に値するという根拠は見いだせないということでした。  福島第一原発の事故の際も基準地震動を超えたガル数が計測されています。それ以降、新規制基準がつくられ、適合性審査の申請があった原発の基準地震動は上方に修正されています。島根原発2号機の基準地震動も600ガルでしたが、宍道断層の長さが39キロメートルに見直されたことに伴い、820ガルに修正されました。  2007年に新潟県中越沖地震がありました。そのとき、柏崎刈羽原発で実際に観測された地震動は1,699ガルでした。その後、同原発の基準地震動は450ガルから2,300ガルに実に5倍も引き上げられています。2000年の鳥取県西部地震のときに観測された地震動は1,142ガル、2016年の鳥取県中部地震では1,494ガルと高い地震動が計測されました。宍道断層が2キロメートルの距離にある島根原発の基準地震動が820ガルでよいのか、大丈夫なのかと心配になります。知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてのお尋ねがございました。これも技術的な問題ですので詳細は水中局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、我々が経験した中部地震は数字の上では1,494ガルあるわけであります。ただ、これは実は若干の言葉の違いがどうもあるみたいでして、私も疑問もあったのですけれども、基準地震動というのは岩盤のところでどういう揺れが起こるかということです。原発の場合は岩盤に固着をさせて建物を造ります。それで、確かに中部地震でも1,494ガルありましたが、あれは表層で観測しているものなのですね。ですからそこの地盤のこととはちょっと別でございまして、加速度がどういうふうに観測をされたかと。当然ながら下の地盤の具合によってはこの加速度が変わってくるわけです。ちょっと思い起こしていただければ、西部地震のときもなぜ倉吉だけあんなに震度が低いのだというふうに皆さんおっしゃいました。どうもあれは観測機の置いてある場所ではないかというような議論が当時ございましたけれども、やはりそういう意味で、どこで測るかというのはどうもあるようです。その意味の試算をしたところの820ガルということでございまして、後でちょっと専門的なお話を申し上げますが、地表レベルですと、大体これは1,600ガルとか、2,400ガルとか、そうしたものに相当するものなのだそうです。専門的にはそういうような見方をしながら基準地震動ということを考えておられるということでございました。  いずれにいたしましても、これは我々ではちょっとなかなか取り組みにくいところもありまして、この点につきましては、鳥取大学名誉教授の西田先生とか、あるいは香川先生とか、そうした先生方にお伺いをしながらチェックをしていただいているという状況であります。両先生とも多分、興治議員もよく御存じの方だと思いますが、我々が西部地震のときとか中部地震のときもお世話になった、別に原発寄りでも何でもなく、純粋に科学的に地震を見ておられる方であります。そうした知見をやはり我々としてもいろいろとお伺いをしながら、最終的に我々としての考え方というのを見定めたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)基準地震動について、補足の答弁をさせていただきます。  基準地震動につきましては、議員がおっしゃられますように、地震による原子力発電所で考えられる最大の揺れを示すもので、発電所の耐震設計の基準となるものでございますので、これが一番大事だというふうに我々も思っております。そのため、各種の調査とかをして、厳密に決められたものでございます。  先ほど知事からもございましたが、地震というものは地下で起きるわけでございますけれども、地下構造というものは、まず岩盤がございまして、その岩盤の上に表層地盤ということで、いわゆる土が載っておるわけでございます。地震の揺れといいますのは、岩盤の中で、最初、地震が起きたらだんだんだんだん揺れが小さくなっていくのですね。今度は逆に岩盤から地層の土に変わる部分に来ると振幅が大きくなって、大きくなっていくというふうな特性がございます。いろいろな文献によりますと、表層地盤は2分の1から3分の1小さくなる。つまり岩盤の2倍から3倍、土の上では大きくなるというふうなことでございます。  原子力発電所は、先ほどありましたように、岩盤の上に造りなさいということになっております。ということで、例えばここに造るのでしたら、ここにある土を全部のけて、岩盤まで出して、岩着といいますけれども、そこの上に原子力発電所を建てるわけでございます。実際に十数メートル、20メートル近く掘り込んで、その上にコンクリートを敷いて、さらにきちんとさせていくというふうなことでございます。それで、先ほどありましたように、例えば岩盤の上で820ガルであったとすると、2倍から3倍ですので、表層では1,640から2,640ガルぐらいになるというふうなことでございます。  議員が先ほど御質問された、例えば柏崎で物すごい数字が出ているというふうなことがございましたが、岩盤の中も一様ではないのですよね。岩盤の中に違った層が混じっていたりすると、そこで増幅されることもありますし、それから、いわゆる褶曲とかがあって、そうすると揺れの方向が変わって、柏崎刈羽の場合ですと、揺れが柏崎刈羽原発のほうに向いてしまったと、それで大きくなったと、そういうこともあるので、島根原発といいますか、原発を造る場合は、表面の岩盤だけではなくて、さらに地下構造がどうなっているかというところまで調べて、その上で820ガルというふうな数字が出たところでございます。  その数字につきまして、この算出過程につきましては、県の原子力安全顧問の山陰の地震に詳しい西田先生、それから地震動の専門家である香川先生、これらの先生に岩盤の調査、それから断層の設定の仕方を含めて全て見ていただいて、評価していただいたところでございます。例えばその評価におきましては、地震について、最新知見と追加調査を踏まえ、宍道断層の評価長さ及び地震が適切に評価されていると、重要度に応じた耐震設計が行われていると、地震に対して施設の安全機能が損なわれないことは確認したというふうなコメントもいただいているところでございまして、先生には何回も何回も見ていただいているというところでございます。  ただ、600ガルから820ガルということはありますが、これはやはり科学の進歩で地盤探査の調査の方法とか、そういうものが進んできたのでこのように大きくなったところでございます。今後もいわゆる科学の進歩がございましたら、確実に中国電力のほうに新たな知見も基準地震動に反映してもらうように、きちんとそれは見ていくし、確認していきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)19番興治議員 ◯19番(興治英夫君)分かりました。  鳥取県の西部地震、中部地震の地震動については、いずれも地表面で観測されたものです。島根原発の基準地震動は、知事、また局長が言われるように、地下の岩盤の上、いわゆる解放基盤表面というようですけれども、原発が立地している面ですね。そこで想定される揺れですので、揺れは小さくなり、単純比較はできないということでした。ただ、先ほど申し上げました福井地裁の判決を出した樋口英明氏の著書によれば、これは事実だろうと思うのですけれども、2007年の柏崎刈羽原発が中越地震に襲われたとき、原発が立地している解放基盤表面の揺れは1,699ガル。ただ、今、局長のほうから説明がありましたけれども、何らかの層があったのではないかということです。そのときの地表面である柏崎市の地震動は1,018ガル、793ガル、刈羽村では496ガルなどとなっています。また、福島第一原発事故の際は、基準地震動は当時600ガルでしたが、原発解放基盤表面での実際の地震動は675ガル、地表である大熊町は922ガル、双葉町は504ガルで、必ずしも解放基盤表面のほうが地表より揺れが小さいとは限らないという結果もあります。  福島第一原発の重大な事故を経験した我々にとって、万全な安全性を確保するためには、従来想定外であったリスクを想定し、安全対策を講じる必要があります。基準地震動が820ガルということは、重要な施設・設備について、その程度の揺れなら安全が確保されるということです。もちろん個別の施設・設備を見れば、揺れに対して十分な余裕を備えたものもあると思います。鳥取県としては、新規制基準に適合しているかどうかという視点だけで判断するのではなく、県民の命と健康、暮らしを守るために、もっとやるべきことはないかという視点で設計をチェックし、必要なことを中国電力にしっかりと要望するというスタンスで臨むべきと考えます。そのための専門性を高める必要もあると思います。知事の所見をお願いいたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)興治県議から重ねてお話がございました。  今、強調されましたことは、全く同意させていただきたいと思います。やはり我々、単なる───────というようなものであってはいけないし、それでは県民の皆さん、地域の皆様に対しまして責任を果たせないと思います。そういう意味で、新規制基準に適合していることのみがクリアな基準ではなくて、本当に安全なのかどうか、これを様々な知見を結合しながら私どもとしては判断していくべきなのだろうと思います。  そういう意味で、観測の仕方や、あるいは地面の中の問題で、大分揺れというのは変わってきます。中部地震のときも感じました。例えば北栄町の西園とか、あるいは由良だとか、かなり揺れがあって家が倒れたりした。やはり地盤の関係というのは大きいのだろうと思うのですね。そういうものの組合せやそのときの地震の個性によりまして揺れというのは変わり得るわけでありまして、それについては十分な安全率をもって中電がやっているのかどうかなど、いま一度点検をすることが必要なのかなと思います。そういう意味で、今日のお話は、しっかりまた安全顧問のほうにも趣旨をお伝え申し上げて、どの程度安全側できちんと対応ができているのか、地震を見込んでいるのかということも確認する必要があると考えております。(市谷知子君「議長、議事進行」と呼ぶ) ◯副議長(広谷直樹君)市谷議員。(発言する者あり) ◯6番(市谷知子君)知事答弁のときに不適切な発言があったと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)  ただいまの発言につきましては、議事録を精査した上で処理をさせていただきます。  19番興治議員 ◯19番(興治英夫君)分かりました。原子力安全顧問のほうにはしっかりとお伝えをいただき、また、県民目線で精査していただくようにお願いをしたいと思います。  それでは、素人目線でさらにもう1点、お聞きをしたいと思います。電源系統、外部電源とか配線接続等の安全性についてです。  原発の事故対策としては、地震で原子炉が停止した後は、外部電源や発電所内の予備電源を使って電気を供給し、注水や海水を使った除熱を行うことにより、原子炉や使用済核燃料を冷やし続けるということです。福島第一原発では、地震の被害により外部電源を全て失いました。また、津波の被害により発電所内の非常用電源を全て喪失し、電源車は瓦礫の散乱などで事故直後は使用できませんでした。そのため、核燃料を冷やすことができず、その崩壊熱により燃料が溶け出し、水素爆発、放射性物質の拡散という重大事故につながってしまいました。  原子炉停止時の電源確保の基本的な考え方は、地震で外部電源を失っても、発電所内の非常用電源などで電源を確保し、対処するということです。よって、発電所内の電源、電気設備は、基準地震動や津波から守られる設計になっています。  一方、外部電源を確保するための送電用鉄塔など送電関係の施設は新規制基準の対象とはなっておらず、耐震強度は電気事業法に基づく一般的なものです。福島第一原発事故では、地震及び地震による盛土崩落により送電用鉄塔が倒れ、離れたところにある変電所でも設備が壊れるなどして外部電源を全て失いました。一方、福島第二原発では、1、2号機が非常用電源を全て喪失してしまいましたが、外部電源4回線のうち1回線が使えたために、過酷事故への進展を防ぐことができています。  島根原発においても、事故時に外部電源を確保するための送電用鉄塔などの耐震性を強化する必要はないのでしょうか。島根原発2号機の外部電源については、2ルート3回線が確保されています。2ルートとも鉄塔が倒れるなどして外部電源を喪失しても、敷地内の予備電源によって対応可能ということでしょうが、外部電源が確保されるにこしたことはありません。より一層の安全性を高めるために、外部電源の外部の送電線、送電用鉄塔などについて調査をし、土砂崩落のおそれがある箇所にある鉄塔の耐震対策を講じるなど、外部電源の確保に必要な対策を中国電力に求める必要はないでしょうか。知事の所見を求めます。  もう一つ、発電所内にある外部電源からの受電設備については、最も弱い耐震Cクラスで設計されています。Sクラス、Bクラス、Cクラスとあるのですけれども、そのCクラスです。福島第一原発の事故では、外部電源の受電設備として、1、2号機の開閉所──送電経路を切り替える施設ですが、この開閉所にあった遮断器や断路器などの受電設備が地震で被害を受け、機能を失いました。原子力安全顧問による確認で、中国電力による自主対策で、この2号機については外部回線の66キロボルト鹿島線の開閉所を基準地震動に対応する耐震性を持たせていることから、それでよしとされています。それはそれでよいと思いますが、それに加えて、その他の受電設備そのものの耐震強度を基準地震動に対応したSクラスにするなど、耐震強度を高めることとすれば、より安全性が増すと思いますが、知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)興治議員のさらなる御質問にお答えを申し上げたいと思います。  その前に、私のほうから、今、───────という表現につきましては、機械的に承認をするというふうに謹んで訂正をさせていただきたいと思います。御迷惑をおかけいたしまして、おわびを申し上げたいと思います。  この問題につきましても、最終的にはまたもう一度顧問のほうにも今の御高見をぶつけてみたいというふうに思いますが、考え方として、今、まさにウクライナで起こっていることを見ていただければと思うのですが、電源喪失をしたと、それで非常用電源で回しているというお話がありました。それはやはり世界的な標準のようでありまして、電源の送信というのは非常に長い、例えばここであったら三隅の発電所から持ってくるわけですね。そういうような長いところはどこかが壊れるかもしれないので、あまりそこに依存し過ぎないというのが鉄則のようです。したがいまして、今回であれば、非常用の発電として、ディーゼル発電機あるいはガスタービン発電機を最強の強度でしっかりと造っておくことが多分重要でありまして、そちらに重点がどうもあるようでありますし、さらに、それを補うものとして、車の発電によりまして、最終的にはそこで補っていくと。何とかして上がっていかないように要は冷やすということ、そういう意味で電源を供給することは重要でありますので、たとえ孤立したとしても、そこでしっかり原発を守る機能があるかどうか、これが多分一番確かに重要なのだろうと思います。  その上で、議員がおっしゃったような点もあって、基本的には外部電源でなされるべきでありますし、そのための施設がどうかということであります。詳細につきましては、水中局長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、今のCクラスのレベルのお話がございましたが、このCのレベルというのは、実はこれもまた耐震基準を満たしているわけでございまして、例えば身近なところでいえば、この議会棟ですね。本庁舎もそうなのですけれども、議会棟も今、Cクラスで整備がされています。ですから、Cだからすぐ壊れるかというと、そうではなくて、一般的には目指すべき基準というふうにも御理解をいただけるのかなと思います。もちろん倒れてしまったら直すだけの日にちも見込んで、多分、全体の設計ということは考えておられるのではないかと思います。このCの基準と一般的な営繕の考え方につきましては、総務部長のほうから補足をさせていただきたいと思います。  いずれにしましても、今おっしゃったことも重要なポイントでありますので、これについては改めてやはり顧問の先生のお話も聞いてみたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)ただいま平井知事からあった自らの発言につきましての申出については、後刻、記録を精査の上、適当な措置を取ることといたします。  水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)送電用鉄塔と受電設備の耐震性のことについて、補足の答弁をさせていただきます。  まず、送電用鉄塔ですが、原発で大事なのは、止める、冷やす、閉じ込めるでございます。福島原発事故では、止める、それから冷やすというところまで行きました。その冷やしている最中に津波が押し寄せて、外部電源が切れて、非常用ディーゼル発電機が浸水して冷やすができなくなったというのが最大の原因でございました。ということで、議員の御指摘のとおり、電源の確保というものは非常に大事だというふうに我々も認識しております。  そういう観点で、鉄塔についても顧問にも見ていただいておりますが、鉄塔につきましては、2ルート3回線ございまして、それぞれ鉄塔の設計というものは、風圧をいかに耐えられるかということで設計されております。その風圧に耐えられる効果として、いわゆる地震にも耐えられるということでございます。実際に過去に風で倒れた鉄塔というものはございますが、東日本大震災におきましては、東北電力管内で倒れた鉄塔はございませんでした。東京電力管内、いわゆる福島原発事故で倒れた鉄塔はございましたが、これは現地盤が崩れて倒れたというのではなくて、横にあった盛土が崩れて倒れ、鉄塔が損傷し、それで外部電源が喪失したというふうに聞いております。  次に、受電設備でございますが、これにつきましては、Cクラスで設計されております。その理由につきましては、新規制基準、それから世界の基準におきましても、これは福島事故の教訓にもございますが、外部電源に頼らず、いわゆる自己完結といいますか、その発電所できちんとまず対応しようというポリシーがございまして、そのために非常用発電機等が重視されているところでございます。  具体的には、まず、外部電源が切れましたら、非常用ディーゼル発電機が3台ございます。その3台が駄目になった場合には、ガスタービン発電機が2台ございます。それが駄目になった場合は、可搬型の電源車というものが7台ございます。ということで、三重の対応が取られております。その上に、中国電力におきましては、先ほど議員からございました220キロボルトの幹線、それから66キロボルトの幹線ということで、66キロボルトは電圧が低いので、電線も細いということで、復旧が早くできるということで、これの受電するところ、いわゆる開閉所についてはSクラスで造ったところでございます。そのため、それについては審査のほうでも5日間で復旧できるというふうな確認をされております。  ちなみに、ディーゼル発電機、それからガスタービン発電機も7日間以上連続運転ができる燃料を有するということで、具体的には、非常用ディーゼル発電機が3台ございますので、単純計算になりますが、それだけだと21日間、それから、ガスタービン発電機が2台ございますので、これも単純計算ですが14日間、合わせて4週間程度は燃料があります。その上にさらに燃料を外部からタンクローリーで持ってくるということまで審査を受けているということで、我々はそれを確認しておりますが、引き続き顧問にもしっかり確認してもらえるようにしてみたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)西尾総務部長 ◯総務部長(西尾浩一君)耐震性に係る原子力の基準と官庁施設の比較について、補足の答弁をさせていただきます。  原子力基準でありますCと同等のものにつきましては、災害対策本部などを設置する県庁第2庁舎ですとか、あるいは県庁でいいますと本庁舎、あるいはまさにこの議会棟といったものが同等の水準になるというものでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)19番興治議員 ◯19番(興治英夫君)分かりました。  安全対策を万全にするために必要だと思う人的なこともあります。重大事故などの緊急時に次々襲ってくる予測困難な事態にも対応できるよう、人材育成を進めることは不可欠です。中国電力等によってそれが十分に実施されているのかどうか、知事はどのように把握をしておられますか。また、人材育成上、今後必要なことはどんなことだと認識されておられますか。知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)これにつきましては、我々としては、チェックはますます強めなければいけないというふうに思います。よく言われますが、安全文化という言葉がございまして、それについてはきちんとやっていただきたい。最近もヒューマンエラーのような、これは重大なものではありませんが、そういう事故があったり、時には作業をしている人がおっこちてけがをされるとかということがあったり、そういうこともございます。ですから、私どもとしては、そのたびに中国電力のほうに人材の問題ということを申し上げております。詳細は水中局長のほうから申し上げますが、様々なそういう研修を積んだり、また、特に人材育成ですね、原発を動かすということ、あるいはそれに準じて例えば石炭火力などで練習をするとか、そういうことも含めたシステムというのを中電のほうでもやるようにしているところでございますが、私どものほうで今、こういう人材管理の問題、研修等を書面上チェックをするということもやっています。さらに聞き取りなど、今回、こういう2号機というものに関わるのであれば、そうした相応のチェックの強化ということは考えてみたいというふうに思います。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)人材育成について、補足の答弁をさせていただきます。  原発の安全性を確保するためには、プラントの安全性を高めることについて高度な技術と高い安全意識を持った人材の育成、確保が重要だというふうに考えております。  中国電力の現状といたしましては、福島第一原発事故以降に入所した所員が発電所の所員の約半分を今占めているということでございまして、原子力発電所が長らく稼働していないことから、運転を経験していない若手所員が増えており、運転員の世代交代が課題であるというふうに考えております。  このため、中国電力のほうでは、運転中の他電力、例えば関西電力の大飯とか高浜とか、そういう動いている電力への派遣や、同じ中国電力内の火力発電所、三隅とかいろいろございますが、そこへ派遣しまして、所員及び協力会社の従業員も含めて、日々教育訓練及び緊急時対応訓練を実施しているところでございます。  この教育訓練とか個別の訓練につきましては、安全協定に基づきまして、県のほうにも報告がございますし、確認しておりますし、それから、総合訓練については、県のほうで毎年視察を行って確認をしているということでございます。  また、人材確保も重要でございまして、技術のある人材確保と練度の維持による技術能力の向上が必要と考えています。現在、原発については非常にデジタル化、コンピューター化が進んでおりますが、最終的には人間、先ほどありましたヒューマンエラーが非常に大事でございます。不適切事案、それから人災も発生しております。県は、不適切事案が発生した場合には、速やかに現地確認を実施して、原因究明、それから再発防止対策の徹底を申し入れるとともに、その履行を確認しております。さらに、教育訓練や人材育成が十分に行われているかも確認しております。  顧問のほうからもこの人材育成については非常に大事だというふうな指摘も受けているところでございますので、県としても引き続き、中国電力の人材育成の取組をしっかり確認していきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)19番興治議員 ◯19番(興治英夫君)それでは、ヒューマンエラーに関わるようなことでございますけれども、国も中国電力も島根原発2号機が適合性審査に合格したから再稼働させてもいいのだという、そういう姿勢ではいけないと思います。特に資源エネルギー庁長官がそのような姿勢だったと知事から伺いましたので、あえて申し上げます。新規制基準に適合しても、スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故のように、人為的なミスが重なり過酷事故につながった事例もあります。不断の安全追求が不可欠です。一旦原発が事故を起こしたら、広範囲かつ何年にもわたって巨大な被害をもたらし、人の命と健康、暮らしが損なわれます。原発を動かす者は、絶対事故は起こさない、設計段階から最大限の安全を確保し、新たな知見に基づいて、都度、施設の在り方を見直し、不測の事態への対処を常に頭に置いて対応するという責任と覚悟が必要です。そういった責任と覚悟が国と中国電力にあるのかどうか、知事として確認をしていただきたいと思います。知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)興治議員から重ねてのお話がありました。私も全く同感でありまして、やはり最終判断をし、仮にこの原発がもし稼働ということにいずれなる可能性があるのであれば、その段階で我々は責任と覚悟をきちんと問わなければいけない。それは、絶対に事故を起こさない、また、どんな風水害があろうと、あるいはテロがやってこようと、それを守り切るのだと、これを国を挙げてやることが必要なのだろうというふうに思います。そういう意味で、いいお話をいただいたのではないかなと思いますので、しっかりと胸に刻んでおきたいと思います。  また、資源エネルギー庁長官が実は最初にこの協議が始まるときに、国の考え方として私のほうにお話がありましたときに、安全基準を満たした審査結果が出たので、政府としてはこれを了承すべきだというような話が私どものほうにありましたので、これは全く周辺の苦しさを分かっていないというふうに当時申し上げました。私どもは、ある意味、あまり地元でメリットがある話ではございません。ただ、原子力発電所を動かす必要が仮にあるとしても、最低限安全が確保されなければならないと、そのことについてのやはり責任と覚悟というのが国としてあるのかなというふうに当時も思ったものであります。ぜひともそうしたことは我々としても基本的な方針として中国電力や国に今後もしっかり求めてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)暫時休憩いたします。午後の本会議は、13時15分より再開いたします。        午後0時10分休憩    ────────────────        午後1時15分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  6番市谷知子議員
    ◯6番(市谷知子君)(登壇、拍手)日本共産党の市谷知子です。ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求め、そして、今日は東日本大震災から11年です、哀悼の意と原発ゼロの決意を込め、質問に入ります。  岸田政権初の予算も平井県政の予算も過去最大です。私は今、1、新型コロナ、オミクロン対策、2、新自由主義経済の転換、3、エネルギー環境対策、4、憲法を生かす政治が問われていると考えます。  まず、新型コロナ、オミクロン対策です。  感染力の強さが指摘される中、当初の政府水際対策は、在日米軍基地は入国制限すらせず、3回目ワクチンの前倒し接種は遅れ、成り行き任せで感染拡大を招きました。この中、知事は、政府に改善を求めつつ、積極的疫学調査に加え、無料検査場の拡大、早期発見と囲い込み、医療やワクチン接種の体制を整備、敬意を表します。同時に、感染が子供から高齢者へと移る中、第六波はコロナ感染の方が5名も亡くなり、現状に沿った対応が必要です。子供や高齢者施設、病院の職員への早期3回目ワクチン接種と定期的な無料検査、無料PCR検査場の継続実施、医療確保のため、年末打ち切られた病院の感染症対策実施加算の復活や、通常診療より収入が減ると中央病院長も言う空床補償の単価アップを国に求め、また、以前要望した看護師派遣への支援、知事、どうでしょう。  次に、経済です。岸田総理は、新しい資本主義、新自由主義からの転換、成長と分配などと言いますが、大企業、富裕層には優遇減税を続ける一方、国民や零細業者には消費税、そして社会保障の縮小と、分配なき弱い者いじめの新自由主義路線のまま。これでは経済も成長しません。  日本共産党は、優遇減税でため込まれた大企業の内部留保に時限的に課税して吐き出させ、賃上げや社会保障充実、グリーン投資を促し、経済循環で優しく強い経済を提案します。そして、私は、新自由主義の転換で地域を守る4点を求めます。  まず、社会保障です。感染症指定病院の境港済生会、岩美、西伯、日南病院の統廃合の名指しや病床を減らす地域医療構想の撤回を国に求め、10月から医療費2倍となる後期高齢者医療の保険料は値上げしないこと、知事、どうでしょう。  第2に、水田農業です。琴浦町で法人化し、親子2世代で農業をしている方にお話を聞きました。住む人がどんどんいなくなり、この地域はどうなるだろうか。引き受ける農地の面積も増やし、大山乳業に飼料用稲も出し、地域循環させ頑張っている。ところが、5年に一度は田んぼに水張りしなければ転作交付金が出ないとか、飼料用米や牧草への転作交付金が大幅カットされると聞き、みんなが怒っていると。政府は77万トンもの米を輸入し、米価暴落には補填もせず、転作せよと言い、そして今度はその転作交付金を大幅カットする。これで農地の維持や跡継ぎができるでしょうか。この水田交付金の減額の中止を国に求め、減額分や米価に対し、県独自に補填すること、知事、どうでしょう。  次に、ジェンダー平等です。人口36万人のアイスランドは、パートも含めた同一労働・同一賃金の証明を雇用主に求め、世界一男女の賃金格差がなく、経済も成長しています。ジェンダーギャップ指数121の日本、男女の賃金格差は76.5%、鳥取県は78.5%、OECD平均の87.2%以下です。会社に男女の賃金格差の把握、報告を求め、改善を支援すること、知事、どうでしょう。  第4に、JR西日本問題です。赤字を理由に乗客2,000人以下の区間は見直すとし、通学に使う山陰線の鳥取-浜坂間は廃止、米子支社は縮小、これではますます赤字は広がり、ローカル線はなくなり、住民の足が奪われます。ローカル線は全体の中で黒字化する。それが分割民営化のときの約束です。コロナが減った昨年10月から12月、JR西日本は黒字でした。自治体が統廃合の協議に応じなければJRは廃止届を出すことはできません。今、踏ん張りどきです。JR線を守れと、ローカル線を守れと粘り強く求め続けること、知事、どうでしょう。  次に、エネルギーと環境、島根原発です。  経産省は原発再稼働の3要件として、1、新規制基準、2、避難計画、3、住民理解を上げます。しかし、規制庁は新規制基準に合格しても安全ではないと言い、また、避難計画は前回、あくまで被曝の低減であって、ゼロリスクではない、原発がある限りゼロリスクはございませんと県は答弁しました。県民を被曝させるわけにはいきません。知事、原発ゼロでしかリスクゼロにはできないという認識でよろしいですか。確認します。  次に、子供の環境です。  前回質問した30人以下学級実施の決断に敬意を表します。同時に、今年実施は3年生だけです。鳥取市立富桑小学校では、新3年生は25人なので適用の必要はなく、新4年生は35人ですが、対象になりません。学校の実情で30人学級の適用学年が選択できるようにすること、教育長、どうでしょう。  最後に、憲法です。  ロシアの軍事侵略と核使用発言は、愚かでしかありません。ところが岸田政権から敵基地攻撃能力の保有とか、他国に進入して爆撃することも排除しないとか、核をシェアするとの発言が出てくる。逆ではないでしょうか。今こそ戦争も核もない世界を、憲法9条を生かした平和外交、唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への参加を求める。知事の所見を求め、壇上での質問とします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、冒頭、ウクライナ問題、そして東日本大震災につきましてコメントがございました。私も、ウクライナ、一日も早い撤退をロシアに求めたいと思いますし、平和の回復を祈りたいと思います。また、東日本大震災につきましても、一日も早い復興、この長い震災後の苦しみから解放されることをお祈りを申し上げたいと思います。  私のほうには、まず、新型コロナウイルス、オミクロン株関係で何点かお尋ねがございました。子供関係施設、高齢者施設等々のワクチン接種、あるいは無料検査等々ございましたが、詳細につきましては、これらは統轄監のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、お話がございましたワクチン接種など、医療従事者につきましては、2月に大体終了したということになりました。また、高齢者の3回目のワクチン接種も今進みつつございまして、それで、全人口でいきますと、3割を超えるところまで本県は進んできたところでございます。大体希望される方はほぼ打ち終わりつつあるのかなと思いますが、65歳以上でいえば、もう67%ぐらい打っていただいていますので、そういう意味では進展はしつつあるかというふうに思います。  そういう中、エッセンシャルワーカー、子供の施設とか病院の関係者、高齢者施設等々ございますが、こうしたところは優先的に受けていただけるように市町村にも働きかけをし、市町村も案内をされていますし、県のほうでもこれにつきましては県営の接種会場を設けました。ここで優先的に受けるので予約してくださいというふうに呼びかけておりまして、既に1,500人ぐらい接種をしていただいているということでございます。  看護師の活用につきましては、病院のほうのナースバンクがございまして、こちらのほうも強化をしながら派遣に御協力いただいておりますし、特にコロナ病棟から回復をされますと、その後、例えば施設に帰られますというようなときの支援であるとか、それから、別の病院のほうに移られるときの支援であるとか、そうした看護師等の人材が重要でありまして、これも資金負担も含めて県のほうでお世話をさせていただいているところでございます。詳細につきましては、また統轄監のほうからるる御説明を申し上げたいと思います。  医療関係につきまして、何点かお尋ねがございました。  これにつきましては、福祉保健部長のほうから詳細はお答えを申し上げたいというふうに思いますが、令和元年9月に突然国のほうで424の病院を統廃合を含めて検討しなさいということが示されました。本県におきましても、岩美病院、それから南部町の西伯病院、さらには日南病院、また済生会、そうした病院が名指しをされたところでございました。自来、私も当時、知事会のほうの社会保障常任委員長もしていたということもございまして、これは理屈が通らないだろうと、地域の医療の拠点を最後のとりでとして私たちは守っていかなければいけない。この議場でも多くの議員の皆様から同様の声が寄せられました。それで、以後、国と協議の場も設けてもらいながら進めてまいりまして、理解としては、事実上は、今、凍結、先送りされているというふうに捉えております。  これにつきましては、厚労省とも相当事務ベースも含めていろいろやり取りをさせていただいておりますが、新型コロナの感染拡大もございまして、その中枢にあるのが自治体病院あるいは公的病院でございます。そういうような現状の中で、とてもこんな議論をできる環境にはないということも申し上げまして、これにつきましては、言わば今後の地域医療計画の中で議論をしていくということで、期限が令和2年に切られていましたけれども、これも今はなくなっていると理解をしておりますし、また、感染症対策というのも新たな重要疾病として位置づけられる中での地域医療構想の議論に今後変わってきますので、当然ながらこういう公立・公的病院については、今までとは違った光を当てて検証しなければならないものだと考えております。全国知事会や全国自治体病院開設者協議会など全国組織もございまして、一緒になりまして声を上げてまいりたいと思います。  農業問題につきましてお尋ねがございましたが、これにつきましては、農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますし、ジェンダー平等での賃金の問題につきましてお尋ねがございました。これは雇用人材局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  また、JRの問題につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、度重ねてJR側と協議をさせていただいております。昨年の8月にも市長会、町村会と一緒に申入れをさせていただき、年末には隣県の丸山島根県知事、また島根の市長会、町村会も含めて協議の場を設けて、JR西日本の米子支社に申入れをいたしました。年が明けて1月には中国地方知事会で申入れをし、先月には関西広域連合で申入れをさせていただきました。粘り強く折衝しているわけでありますが、今、JRの長谷川社長のほうから示されているのは、特に2,000人という乗降人員、その基準に満たないところについては見直し対象として考えると、こういう趣旨のことがございました。私のほうでそこを問いたださせていただき、そもそもJRというのは分割民営化をするときに、例えば新幹線であるとか、非常に収益性のある京阪神の電車も引き受けているわけでありまして、全体としてJR西日本管内を維持するという設計だったではないですかということを申し上げ、長谷川社長のほうは、個別にまた協議をしたいという趣旨だと、方程式を解くように全て廃止とか、そういうような単純な答えを出すつもりはもともとないというようなお話もございまして、今後、またいろんな議論をしていかなければならないのだというふうに思います。  ダイヤの問題も申し上げたのですが、残念ながらダイヤ改正がこのたび行われるわけでありますけれども、これについても私どもも個別の問題点も含めて粘り強く提起をしてまいりたいと思います。  地域の足の確保に向けまして、今後も関連する他の自治体等とも共闘を組んでやりながら、また、片方でJRの需要創造、例えば観光ですとか、それから公共交通の利用ですとか、そうしたことも我々は我々の分野として提起をし、実行してまいりたいと思います。  次に、原子力発電所につきましてお尋ねがございました。  これについては、前の答弁のお話だと思います。水中局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  最後に、ロシアのウクライナ侵攻につきましてお話がございました。  これにつきましては、国連憲章の2条4項に明確に反する侵略行為であろうと思います。武力をもって力による現状変更を試みようとするものでありまして、到底国際社会として許されるものではないし、国連の国際協調主義にも反する今の運用でありまして、安全保障理事会の機能の問題とか、国連総会での緊急決議がなされても事態があまり動いていないということなど、本当に憂慮すべき状況ではないかと思います。  現状は、今、報道によれば、キエフの15キロのところまでロシア軍が迫っている緊張状態の高まりの中にございまして、相変わらず民間の病院も含めた施設への砲撃も加えられているということでございます。やはりロシアは即刻撤退をしていくべきだと思いますし、とりわけ原子力安全施設についての攻撃ということは許されるものではなく、IAEA憲章にも違反するというふうに考えております。こういう意味で、平和だとか、あるいは核の問題などを考える機会にも世界はなったのではないかというふうに思います。  核兵器の問題についてお話がございましたけれども、私自身は個人の立場でヒバクシャ国際署名をさせていただきました。そういう意味で、世界の恒久平和を祈るものでございますし、こうした声が世界中でまとまって、プーチン大統領を動かすことになればと願っているところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)植木統轄監 ◯統轄監(植木芳美君)新型コロナ、オミクロン株対策につきまして、無料のPCR等の検査体制、また外来診療での加算の件、そして空床補償についての補足の答弁をさせていただきます。  まず、無料のPCR等検査の継続についてのお尋ねについてでございます。  本県では、12月22日から無料のPCR等の検査に係る事業を開始いたしました。その後、12月22日から3月6日までにこの無料検査を受検された方は3万4,000人余りとなりました。その中で、陽性者の方も160名判明しているところでございます。  検査場所につきましても、民間検査事業者でありますとか薬局の御協力を得まして、開始時は県内23か所でございましたけれども、現在は66か所まで増設することができまして、検査を希望される方に受けていただきやすい体制ができたものと考えております。  来年度におきましても、県内で感染拡大の傾向が見られた場合に、新型インフルエンザ等対策特別措置法の第24条第9項に基づいて、知事が感染不安のある県民の方に受検要請する際の無料の検査につきましては、必要な予算案を今議会に提案をさせていただいているところであります。国においてもワクチン検査パッケージ制度については現在見直し中と聞いておりますけれども、この特措法に基づく検査事業につきましては、4月以降も継続される予定と伺っておりますので、県内で感染拡大の傾向が見られた場合には、速やかに国と協議をした上で、特措法に基づく受検要請をいたしまして、無料検査を実施していきたいというふうに考えております。  続きまして、外来への加算の制度のことでございますが、まず、全ての患者の診療等に算定できる感染症対策実施加算の特例措置は令和3年4月から9月の診療分までで終了しておりまして、その後、これに代わる形で10月からは感染拡大防止継続支援補助金による感染対策のかかり増し経費の支援が実施されたところであります。現在は、新型コロナウイルス感染症疑いの患者に対し、必要な感染予防策を講じた上で実施される外来診療を評価した院内トリアージ実施料というものが特例的に算定できるように見直しがされたところであります。また、令和4年度の診療報酬の改定におきまして、感染対策向上に関する外来の診療ですとか、また、入院医療につきましては新設や拡充がされるなど、国において必要な措置が講じられておりますので、現在のところ感染症対策実施加算の復活を国に求めるということは考えていないところであります。  また、空床補償単価の引上げについてでございます。  空床補償の制度につきましては、国において、病院の担う役割ですとか、重症者、また軽症者など、コロナ病床の機能に応じて一般医療の診療報酬と同水準の補助単価が設定されているものでございます。国に対しましては、全国知事会を通じまして、引き続き、病床確保につきましては、これまで確保した全ての病床に対して、これはコロナ病床確保のためにやむを得ず休床にした全ての病床を含みますけれども、継続して空床補償ができるように、補助単価の増額も含めて十分な財政支援となるように要望をしているところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長(中西眞治君)施設への早期ワクチン接種の関係、定期無料検査の関係、病院への看護師派遣の関係、また地域医療構想の関係、後期高齢者医療負担増の関係につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  まず、病院、高齢者施設、保育施設の職員への早期ワクチン接種ということでございますけれども、ワクチンの追加接種につきましては、昨年12月1日から2回目接種完了から8か月を経過した方を対象に始まったところでございます。初回接種の時期が早かった医療従事者から順次接種が進められてきておりますけれども、病院の職員につきましては、県のほうで病院と市町村とを仲介いたしまして、それぞれが勤務する病院で接種が行われるという体制を取りました。また、医療従事者の接種間隔が6か月以上と前倒しをされたこともございまして、接種が加速化いたしまして、特にコロナの病院につきましては、1月中には基本的には大どころは終わっているということでございますし、そのほかの病院につきましても、2月の初旬ぐらいにはおおむね完了という状態になってきております。また、そのほかの医療従事者、全体を合わせましても2月末の時点で接種が完了したと言える状態になっているところでございます。  また、高齢者施設の入所者、従業者につきましても、こちらも接種間隔が6か月以上と前倒しをされておりますので、市町村のほうでそれぞれの施設と連携いたしまして、施設の意向を踏まえながら接種券の前倒し発行ですとかワクチン供給など、接種促進に努めているところでございます。  また、オミクロン株の子供への感染の拡大を受けまして、保育所、幼稚園、学校などにおきまして、子供と接する保育士や教職員などのエッセンシャルワーカーに対して早期に3回目接種を行うため、市町村に対しましてこれらのエッセンシャルワーカーへの接種の加速化を要請するとともに、県と市町村が連携、協力いたしまして、接種を希望するエッセンシャルワーカーをリスト化いたしまして、県営の大規模接種センターで接種を引き受けるといった取組によりまして、接種の促進を図っているところでございます。こういったことによりまして、今月から始まった小児接種と併せて、引き続き3回目接種の加速化に努めてまいりたいと思っております。  続きまして、高齢者施設、保育施設、医療機関等の職員への定期の無料検査ということでございますけれども、令和4年2月に社会福祉法人等に係るPCR検査等支援事業補助金の対象を拡充いたしまして、令和4年3月31日まで特例的にこういった定期検査につきましても全額補助対象としております。こちらを活用していただいているところでございます。  続きまして、病院への看護師の派遣の支援ということでございますけれども、先ほど知事のほうも答弁がございましたけれども、県のほうで離職した看護師等の再就業の支援を目的に、県の看護協会のほうに無料職業紹介等委託実施をしておりまして、各病院におきまして看護師の確保が必要となる場合には、その活用により支援をしているところでございます。新年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の対策において、潜在看護師を含む看護師のさらなる確保が喫緊の課題となっていることがございますので、ナースセンターの就業支援コーディネーターを2名から3名に1名増員する予算のほうを今議会に提案をさせていただいております。これによってさらに支援を充実していきたいというふうに考えております。  続きまして、県内4病院の名指しと地域医療構想の撤回を国に求めるべきという御質問でございました。  4病院の名指しということでございますけれども、これは、国が令和元年9月に具体的対応方針の再検証を求める公立・公的医療機関等として、全国で424病院を公表して、その中に県内で入っていた病院ということでございます。各都道府県に対しまして、令和2年3月までに結論を出すように要請が国のほうからあったということでございますけれども、これにつきましては、公立・公的のみを対象に全国一律の基準による分析で突然に公表されたということでございまして、地域住民や医療関係者に大きな不安と混乱を招く結果となったところでございますので、当時、社会保障常任委員長であった平井知事が知事会を代表いたしまして、国に対して強く抗議するとともに、各地域の実情を踏まえた丁寧な議論をするよう要請をいたしまして、国もその要請を受けまして、令和元年10月に地域医療確保に関する国と地方の協議の場を設置したところでございます。  以降、継続的な協議を行うとともに、コロナ禍で公立・公的医療機関の役割の重要性が再認識されることとなったことを踏まえまして、知事会等も通じて国に対して様々な要望を行ってきたところでございます。  要望の内容でございますけれども、例えば再検証の要請が公立・公的医療機関のみが対象でありますけれども、地域医療構想の実現には民間病院も含めた議論が必要であることですとか、地域医療の最後のとりでとなるような地域病院が今後もその役割を十分に果たせるよう、財政措置を含む支援策の強化を図ることですとか、コロナ対応に支障が生じることのないよう、期限を切ってスケジュールありきで進めるようなことは行わないこと、また、公立・公的病院が新型コロナウイルス感染症対応の最前線で感染者の治療やワクチン接種等の中核的な役割を担うなど、その役割の重要性が再認識されたことを十分に踏まえ、地方とも丁寧な協議を行うとともに、慎重な検討を行い、地域の実情に即した柔軟な取扱いを行うこと、こういったような要望をしてきております。  その結果、国におきましては、コロナ対応での公立病院の重要性を認めた上で、財政支援を充実するとともに、令和2年度末としていた公立・公的医療機関の再検証期限につきましても、最終的に次期医療計画、令和6年から令和11年度でございますけれども、これに追加された新興感染症等の対応の策定作業と併せまして、民間医療機関も含めて検討することとして、期限の延期と方針の見直しがされたところでございます。これまで地方側がいろいろ要望してきた内容が反映され、地域医療構想に係る公立・公的医療機関の再検証に特化した議論ではなくなってきておりますので、国に対して地域医療構想と再検証に関する方針撤回を求める必要はないものと考えております。  続きまして、後期高齢者医療負担増の中止ということでございます。後期高齢者医療制度の保険料でございますけれども、これは、2年間の後期高齢者制度の収入、支出の推計を行いまして、その均衡を保つように保険料を定めることとされているところでございます。支出のほうでございますけれども、2年間にかかる医療費の推計が中心でございます。収入のほうですけれども、それに対して公費が5割、現役世代からの支援が4割、保険料1割、これを基本として収入のほうを考えます。具体的な保険料率でございますけれども、それを決めるに当たりましては、基金の繰入金等も考慮して定めていくということになっております。  本県では、平成26年度以降、広域連合が所管する医療給付費準備基金等を活用いたしまして、保険料率を据え置いてきたところでございます。一方、令和4年、5年度におきましては、広域連合の試算によりますと、団塊の世代が後期高齢者医療制度に移行することに伴う被保険者数の増加、医療費水準の上昇を背景といたしまして、2年間の適切な制度運営を行うためには保険料率を一定程度上げることが必要というふうに推計しておりますので、県といたしましても制度を適切に運営するために、保険料の値上げにつきましては必要な改定と考えているところでございます。  令和4年、5年度の保険料率の決定に当たりましては、広域連合が所管する医療給付費準備基金と県が所管する財政安定化基金を活用することで、被保険者の負担増加をできる限り抑えることとしておりまして、その結果、令和2年度、3年度と比較いたしまして、年間8,449円の増となる見込みでございますけれども、保険料の水準といたしましては、全国40位ということで、低い水準に抑えられているところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)水田農業の充実ということにつきまして、補足の答弁をさせていただきたいと思います。  2点あったかと思います。一つには、水田活用の直接支払交付金、国の制度でございますけれども、この見直しに対して、中止ということを国に求めないかということであったかと思います。  令和4年産に向けましたこの制度の見直しについては、せんだっての坂野議員の議論の中でもございましたけれども、例えば転換作物が固定化している水田を交付対象から除外をするというようなことであったりとか、あるいは多年生牧草について、播種年以外は生産コストが低く抑えられるからということで、収穫のみを行う年の助成単価を引き下げるといったようなことが盛り込まれております。  減額となった理由につきましては、国の言い分に一定の理解もできるのですけれども、農家の間で定着した支援施策ということもございまして、議員がお聞きになられたような戸惑いの声というのが現場にあるということも十分認識しております。そういうこともありまして、昨年12月20日にこの制度見直しの説明会を県において開催いたしまして、生産現場の生の声を国に届けたというところもございます。  また、現在、国会におきましてもこのことが議論されておりまして、それを受けて、2月22日の記者会見で金子農林水産大臣は、全国の現場での検証を行うという発言もしておられます。  県としましては、JAや市町村と連携いたしまして、国が行う検証の動向、あるいは米のこれからの需給の動向を注視いたしまして、必要に応じて国へ要望を上げることを検討してまいりたいというふうに思います。  また、この交付金の減額、そして下落した米価への県独自の補填ということについてどうかということでございました。  米の需給の不均衡ということについては、コロナ禍であることを除いても、近年、毎年10万トン需要が減少していくというものがございます。つまり一過性ではなくて、構造的に減少傾向にあるということが大きな問題なのだろうというふうに思います。地域にとって大事な水田農業を維持していくためには、地域と一緒に収益性向上に向けた総合的な対策に取り組んでいくことが重要だというふうに思っております。また、平成16年の米政策改革以降、各産地が主体的に自らの判断で需要に応じた米の生産、販売に取り組むという方向を維持してきております。米単体に支援するということは必ずしも需給の不均衡を是正することにはつながらないのではないかというふうに考えておりますので、県独自の補填ということは現時点で考えておりません。  県としましては、米の需給動向を踏まえながら、主食用米からの作付転換でありますとか、米の消費拡大、経済資金等セーフティーネットの確保、生産体制の強化、水田の維持管理といった総合的な対策をJAグループ、市町村と一緒になって進めてまいりたいというふうに思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)谷口雇用人材局長 ◯雇用人材局長(谷口透君)男女の賃金格差について、補足の答弁をさせていただきます。  OECD、経済開発協力機構の統計による男女間の賃金格差、これは2018年のものなのですけれども、男性所得を100とした場合の女性所得の比率では、日本は76.5%で、男女間の賃金格差が大きい順で韓国に次ぐ第2位となっております。また、鳥取県につきましては、2020年の賃金構造基本統計調査によります男女の賃金格差は78.5%で、全国平均74.3%よりも格差は小さい状況となっております。  本来、性別のみを理由として賃金に差をつけることは労働基準法により認められておりませんし、また、男女雇用機会均等法では、賃金以外の労働条件、例えば募集、採用、配置、昇進、定年年齢などについても性別による差別は禁止されております。ただ、男女の賃金格差は役職や勤続年数に左右されるというふうにも言われておりまして、結果的に男女間に賃金格差が生じているものと考えております。  県では、女性の職業生活における現状や課題を踏まえて、鳥取県女性活躍推進計画を策定し、女性活躍の推進に取り組んでいるところでございます。その結果、男女間の賃金格差についても縮小傾向にございます。平成17年に71.3%が令和2年には78.5%、7.2ポイントほど上昇しております。  また、男女間の格差は改善傾向にあるものの、このコロナ禍の影響は特に非正規の女性が受けているというふうにも言われておりまして、不安定な雇用情勢が長く続いていることから、みなくる、鳥取県中小企業労働相談所においても労働者の相談にきめ細やかに対応しているところでございます。  なお、男女間の賃金格差の状況については、先ほど申し上げました賃金構造基本統計調査等の各統計調査により把握できます。また、本日の新聞でも報道されておりましたが、岸田首相が国際女性デーの8日に賃金格差の是正に向けた企業の開示ルールを見直すというメッセージを出されておりますし、厚生労働省では、賃金状況の公表に関して義務化も検討するというコメントもございますことから、県では個々の企業から報告等を求めることは考えておりません。また、男女間の賃金格差は改善傾向にあることから、現在行っております女性活躍推進の取組のほうを継続していきたいと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)原発のゼロリスクについて、補足の答弁をさせていただきます。  前回御質問いただきました答弁のほうで、科学技術にはゼロリスクはないということで、止まっていても施設がある限りリスクがあるということを御説明させてもらったところでございます。  それを前提としまして、議員御承知のとおり、新規制基準につきましては、福島第一原発事故の教訓や世界の最新知見を踏まえて策定しておりまして、IAEAや諸外国の規制基準に照らして抜けがなくて、世界で最も厳しい水準の基準であると、その上で、福島原発事故のような過酷事故が起こらないことを目指して策定されたものであるということでございます。  また、従来の重大事故の発生を防止するための基準から、発生防止対策の強化に加え、重大事故が発生した場合の対策、さらに敷地外への放射性物質が放出した場合の放射性物質の拡散を抑える対策を追求するなどの強化が行われているところでございます。  新規制基準の審査については、原子力委員会によって極めて高度な科学的、専門的な知見に基づき総合的に判断されたものであります。また、国のエネルギー基本計画においては、新規制基準に適合した原発は再稼働に必要な安全性が確保されているということでございますが、しかしながら、県のほうでは、新規制基準は島根原発2号機の再稼働に当たって必要最小限なクリアしなければならない基準であるというふうに認識しております。そのため、県では、原子力安全顧問等によるクロスチェック、それから中国電力には、単に新規制基準をクリアすればよいという姿勢ではなく、自主的にさらなる安全対策を講じる等、不断に安全を追求するということを求めております。  再稼働につきましては、常に安全を第一義としまして、米子市、境港市の判断をお聞きし、最終的には県議会と協議の上で慎重に判断するということにさせていただいているところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)市谷議員の一般質問にお答え申し上げます。  私のほうには、30人学級の適用についてお尋ねをいただきました。  この30人学級につきましては、これまでも市谷議員のほうからもこの議場で推進をしてはどうかという御提案をいただいていたところでございます。先日、尾崎議員の質問にも答えさせていただきましたが、国がようやく定数改善を行ったこと、一歩先行く形で本県としては本議会に30人学級の提案をさせていただいているところでございます。  30人学級を年次進行としておりますのは、まず、予算面的には、国のほうが35人学級が年次進行で進行していくことと同時に、一斉に3年生から6年まで30人にするというふうなことも一つの方法かもしれませんが、一気に教員が何十人とまた必要になること、それらを含めてこの年次進行という形にしたところでございます。  富桑小学校の例を取り上げていただきましたが、ああいう必要なケースには、市町村との連携の中で、弾力的な運用ができることを市町村のほうから提言があった場合に協議するというふうな形をこれまでも取ってきておりますので、もし必要性があるのならば、また市のほうと、教育委員会ともやり取りがまたできるのではないかというふうに思っているところでございます。  いずれにしましても、30人という枠をつくることが大切ではなく、そのことによって2年生から3年生への学年進行に応じた学級運営がスムーズにいくことや、いろんな課題を抱える子供たちの学び、あるいは環境に先生方がしっかりと目を向けて、きめ細かな指導をしていくというふうな体制、さらにはGIGAスクール構想も含めた学力の向上につなげる施策の推進等、この30人学級の狙いを明確にしながら丁寧に、慎重に進めてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)6番市谷議員 ◯6番(市谷知子君)まず、コロナ対策ですけれども、ケア労働の職場だとか病院の職員への無料検査、これは非常に喜ばれています。ぜひ感謝を言ってほしいということもありましたので、本当にありがとうございます。無料PCR検査場とともに、引き続きこれは続けていただきたいですし、看護師の派遣支援についても実施されているということで、本当によかったというふうに思います。  それでは、次に、コロナの業者さんへの支援についてですが、これは私は問題が浮上したというふうに思っております。米子市と境港市への外出自粛要請は私も必要だと思いましたが、補償とセットでなかったのです。知事は、補償を求めた米子市を知事会の場所で感染対策ができていない米子市問題と言ったり、まん延防止協力金を求める人を批判したり、闘うべくはコロナだと言ってきた知事だからこそ、協力する姿を見せていただきたかったというふうに思っています。  業者の声に押されてオミクロン緊急応援金ができましたが、20万円しか受け取れない、まん延防止協力金なら35万円出るのにとか、困っている事業所の営業や雇用を頑張って引き継いだら売上減少せずに、赤字なのにこの支援対象にはなれないという声が出ております。確かにまん延防止協力金は改善が必要だと思いますが、要は自粛に見合った補償が必要だというふうに思います。コロナの企業支援基金を活用して、早期に次の業者支援制度を検討すること。  また、国の事業復活支援金、これは手続が始まっていますが、金融機関とか商工会議所の事前確認が必要で、非常に手続が煩雑です。県がこの事前確認を無料サポートしたり、手続の間口を広げるために、市町村の中小企業振興条例に位置づけられた団体もこの事前確認に関われるように国に求めていただきたいですが、いかがでしょうか。  公的病院の統廃合問題、名指しなのですけれども、いろいろ説明がありましたけれども、結局、国は名指し撤回をしておりません。押しつけないのであれば名指しの必要はありませんし、撤回を求めている自治体もあります。ちょっと確認ですけれども、では、知事は統廃合する気がないということでよろしいでしょうか。  また、国は今年、第8次医療計画で、民間病院も含めた病院再編の報告を県に求めています。しかし、国が今、削減対象としている高度急性期病床も急性期病床も、令和2年度は県内では病床が増えています。病院からは増やしてほしいという要望が出ております。全国知事会は、紹介がありました国と地方の協議の場で、急性期病床は削減ではなくて、感染拡大時に感染症病床に転用できるよう、一定程度余力を持つという考え方が必要だとしています。ですから鳥取県は削減ではなくて増やす計画を国に提出していただきたいですが、いかがでしょうか。  また、後期高齢者医療については、保険料の値上げは必要だというふうにおっしゃいました。値上げしないようにするには本当に大きなお金が必要なのですが、このコロナ禍、国は、年金は引き下げ、県内の後期高齢者1万6,000人の医療費を2倍にして、その上、保険料は、今紹介がありましたが、約1万円も上がるのです。あまりではないでしょうか。
     そこで、後期高齢者の健診の費用ですが、県が実施する3分の1の補助を活用して、岩美、若桜、智頭、八頭、湯梨浜、北栄、大山、日南は今、無料にしています。全市町村に無料化を働きかけること、知事、どうでしょうか。  また、島根原発について、原発ゼロでしかリスクゼロにできない。前回そういうふうにおっしゃいました。しかし、新規制基準があって、何か被害が少なくなるようにするとか、あるときには避難計画をつくって被曝を少なくするのだということをおっしゃるのですけれども、私はやはり原発を動かさないのが一番の安全対策だと、そして最大の避難計画だというふうに思います。ぜひ再稼働ノーだと中国電力に言っていただきたいです。  そこで、住民の再稼働は嫌だ、ノーという声を担保するのは中国電力との安全協定しかありません。でも鳥取県の協定は、あくまで事前報告を受け、意見を言うことができ、それに中電が誠意を持って対応するとし、これは事前了解権ではありません。島根県の協定は、了解を得るものとするとなっています。  そこで、島根県が再稼働イエスと言って鳥取県がノーと言った場合、知事は全員協議会で再稼働されないと断言されましたけれども、本当でしょうか。以前、私、同じことを中国電力に聞きましたら、仮定の話にはお答えできません、こう言われたのですね。では、鳥取がノーと言ったら本当になると知事は中国電力に確認されたのでしょうか。お答えください。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷議員から重ねてのお尋ねがございました。  まず、新型コロナの関係につきまして、何点かお尋ねがございました。  これにつきましては……。これはいいのかな。質問がなかったら……。ちょっとすみません。よく分からないところがありまして。では、足らなかったらまた言ってください。  まん延防止等重点措置の件につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、当時も大分やり取りはさせていただきましたが、まん延防止等重点措置は、基本的にはというか、それだけなのですけれども、結局、飲食店の時短要請しかないのですね。それは実は、当時、学校のクラスターがあちこちで起こっていました。それから、残念ながら子供たち、保育所などもございまして、構造が全く違っていたわけです。代表質問以来、ずっと申し上げておりますが、初期の頃は、確かに若い方々が都会から戻ってこられたりした。成人式だとか、いろんなことがある。そういうことが影響しまして、結構県内に広がった時期がありました。恐らくこういうときに本県の主流であるオミクロンのBA.1.1というのが持ち込まれたのだろうと思います。これが広がった後、定着してしまったわけです。それで、飲食店ということはむしろ見られなくなって、これは全国的にそうなのですが、非常に感染力が強いものですから、子供がウイルスのターゲットになってしまった。その子供と家庭との間のキャッチボールでありますので、飲食店に権利制限、罰則があります。これは共産党さんも国会で問題にしていましたけれども、非常に慎重にまん延防止等重点措置という権利制限を伴うことは発動しなければいけない。そこに実態がないものですから、これはやはり発動すべきでないというふうに我々は考えたわけです。  米子市長とのやり取りをおっしゃいましたけれども、あのとき私が申し上げたのは、飲食店ではなくて、学校とか、子供たちのところで起こっているので、そこに米子市も協力してもらいたいということを申し上げたわけです。非常に対立的に見られていますけれども、2人は非常に仲よくその後も話をしていますので、要は、論争としては、飲食店が中心か、あるいは学校とか子供たちを感染から守ることが中心か。ここはその後、伊木市長も納得をされまして、そちらのほうでの対策になったわけです。  ただ、まん延防止等重点措置で協力金が出るということなのですが、これは全国で同じような問題が起きていまして、今回はそういう感染実態がかつてのデルタ株までとは違うのですね。それに制度が合っていないと。本来であれば、子供たちを感染から守ることでまん延防止等重点措置がつくってあればいいのですけれども、そうなっていないものですから、全国で混乱が起きたわけです。そこにややこしくなりましたのは、協力金ということがあたかも補助金のように取られてしまったと。これは多分、我々行政の矜持としてはちょっと受け入れ難いところがありましたし、それから、実はそれ以外の業界の皆さんからすると、それについてはなぜ飲食店だけなのだという議論が起きていたのです。それから、ややこしいのは、まん延防止等重点措置を適用すると、観光の支援ができなくなってしまうと。感染が起きていないのに、そのお金が欲しいがために適用すると、観光業者、そして観光業者に絡まるいろんな人たちまで仕事が止まってしまうのですよね。ですからこれはやはり筋が合わないので、それでちょっと身銭をばあんと切って応援金というものを出して、それも全業種、全地域で出そうと。別に米子のある一定の区画ではなくて、それよりも鳥取のほうがむしろ人手が減っていたのです。ですからそれの影響を受けていたと。倉吉もやはり同じような状況である。だから全県を適用して、それでまん延防止等重点措置である一定の区域だけにとどめるのではなく、また、飲食店だけに適用するのではなくて全業種に適用すると、これが正しいというふうに思いました。確かにお金はかかるわけではありますけれども、そういうようなことで踏み切らせていただいたものであります。  ですからそういう意味で、飲食店の皆様の痛みもよく分かるし、それに対して私どもとしても最大限の措置を取らせていただき、米子市さんもそういう経緯も全部分かっているものですから、今回、飲食店に限らず、全業種で米子市全域での補助金の上乗せをされているということであります。  今後も経済の状況、それから感染実態などに応じまして、新年度も引き続き、私どもとしては弾力的、柔軟に対応していくという考え方であります。  事業復活支援金についてお尋ねがございました。  これにつきましては、詳細は商工労働部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。無料相談も本県としてもやっておりまして、結構お問合せも来ております。それから、知事会でも要求をして、いろんなところで受けられるようにというようなことの関係で、今、生活衛生関係の指導センターのほうもそういう受皿団体として動いていただけるように改正をしていただきました。  次に、病院につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、詳細は福祉保健部長のほうから申し上げたいと思いますけれども、これは議場で何度もやり取りをさせていただいておりますが、私どもの4病院については、それぞれ地域での役割があると思っています。ですから単純に統廃合という必要性は今のところ感じていないと。ただ、もちろんその4病院で例えば急性期と療養型と、その辺の入り繰りをしようとか、いろいろと構想があれば、それはやはり我々も応援するのだろうというふうに思っております。  急性期の病床の数のことにつきまして、さらに後期高齢者医療のこと、それから健診のことにつきましてお尋ねがございました。これらはまとめて福祉保健部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  次に、原子力発電所につきましてお尋ねがございました。再稼働はリスクがあるのでノーだというお話と、事前報告の考え方でしたか、これについてお尋ねがございました。  これらは詳細はまた水中局長のほうからもお話を申し上げたいというふうに思いますけれども、原子力発電所につきましては、午前中も御審議いただきましたけれども、我々はやはりこの第2号機について、審査は了となったけれどもどうかというふうに投げかけられていますし、安全協定を結んでおりますから、その安全協定に基づいて、私たちは返事を返さないといけない。そういう言わば債務といいますか、役割を担っているわけであります。ですから何らかの答えをやはりこれから我々としては出していくのだろうというふうに思います。それにつきましては、地元の米子市、境港市の考え方、それから専門家の知見など、そうしたものを総合しながら、最終的には議員の皆様と御協議をさせていただいて、お答えを考えていくというようなことになるのだろうというふうに思います。結論先取りではない話だと思っています。これにつきましては、精細な検討も加えながら判断をしていかなければならないということではないかというふうに思っているところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)池田商工労働部長 ◯商工労働部長(池田一彦君)国事業復活支援金の申請手続につきまして、補足答弁をさせていただきます。  国事業復活支援金の申請に当たりましては、不正受給防止、申請事業者の経営実態を確認するためというようなことから、登録確認機関で事前確認を行うこととされておりまして、その対象機関といたしましては、国の支援金給付規程の中で定められておりまして、具体的には、商工団体、金融機関、農業、漁業の協同組合、さらには税理士、行政書士等の士業などに加えまして、先ほど知事からもございましたけれども、このたび生活衛生営業指導センターも追加されたところでございます。全国知事会の要望などを踏まえて、このように拡大が図られてきているところでございます。  また、本県におきましては、県内3か所にワンストップの相談窓口を設けております。こちらのほうに現在、鳥取県行政書士会や中国税理士会の県支部の連合会などと連携いたしまして、登録確認機関として資格を保有された専門家の方に駐在いただいておりまして、事前確認や申請書作成支援等を無料で対応させていただいておるところでございます。こうして多くの支援機関や、この県窓口で無料の事前確認が受けられる環境が整っておりますので、事業者の皆様には引き続き周知を図りながら、円滑な申請支援を図っていきたいということを考えておりますし、あわせまして、その必要な制度改善につきましては、先般も3月4日の全国知事会の緊急提言の中で、この事業復活支援金につきまして、事業者の負担を考慮した事前確認であるとか、書類提出の簡素化、申請サポートセンターの増加、このようなことを盛り込んでおりますので、引き続き、全国知事会を通じて、こうした必要な対策を国に求めてまいりたいと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長(中西眞治君)3点につきまして補足の答弁をさせていただきます。  まず、4病院の見直しの関係でございますけれども、統廃合する気があるかどうかということでございますが、先ほど知事の答弁のとおりでございますけれども、まず大前提といたしまして、国のほうは地域医療構想の推進の取組につきましては病床削減や統廃合ありきではなく、各都道府県が地域の実情を踏まえ、主体的に取組を進めるものということを明言されています。また、それぞれの4病院につきましては、地域でそれぞれの役割をしっかりと持っておられますので、少なくとも県のほうから統廃合するというような考えはございません。ただ、これから地域医療計画をつくる上で、それぞれの地域において医療を充実、発展させていくために、それぞれどういった役割を持っていくのがいいか、機能分担していくのがいいのかということを話合いをしていく必要があると思いますので、その過程の中で、それぞれの病院のほうで役割を見直しをされて、機能の変更があるということはあろうかなというふうに思っております。今回国のほうでそれを支援するためのツールもつくることになりましたので、そういったツールも使いながら、補助金、支援制度も使いながら、そういった見直しがあれば後押しをしていくことになろうかなと思っております。ちなみに、今コロナで鳥取県ではこの地域医療構想の見直しの関係が止まっておりますけれども、全国におきましては、見直しをされたところもございまして、その中で、見直しをした結果、40病院ぐらいですけれども、もう既に従前どおりとするというような結論を出されているところがございますので、そういったことを考えましても、これを強制的に進めるということは心配しなくていいのかなというふうに思っております。  続きまして、増床計画の関係でございますけれども、地域医療構想に関しまして、鳥取県は急性期病床の増床計画の提出をしてはどうかということでございますけれども、医療計画の一部といたしまして、平成28年度に地域医療構想の作成をしております。この地域医療構想ですけれども、2025年に向けて、地域ごとに効率的に、不足のない医療提供体制の構築を目指すための取組をまとめたものでございますが、今後この計画につきまして、病院ごとの病床の計画をまた再度国に提出するといったものではございません。医療機能ごとの病床につきましては、病床機能報告制度というものがございますけれども、これは地域医療構想の推進に当たりまして、地域の医療機関が担っている医療機能の現状把握等を行う必要がありまして、そのために必要なデータを収集するための仕組みとして創設されたものでございます。一般病床、療養病床を有する病院または診療所が担っている医療機能を、病棟単位を基本といたしまして、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分から一つを自主的に選択して、毎年病院のほうから都道府県に報告して、都道府県がそれを公表するという制度でございます。それぞれの病院におきまして、地域における役割等を考慮しつつ、提供すべき機能ごとの病床数を検討していただいて、既存病床数の範囲内ではありますけれども、必要であれば、急性期病床であっても増として報告していただければよいというものでございます。実際に前年と比較して急性期ですとか、高度急性期の病床を増とされた病院もあるところでございます。  もう1点でございますけれども、後期高齢者医療に関連いたしまして、健診の無料化の働きかけということでございました。これは、それぞれの市町村に対しまして、健康増進のための補助金の関係かなと思いますけれども、それぞれ市町村のほうで保健事業、どういった事業を行うのが住民の皆様の健康増進に寄与するかということを考えていただきまして、その結果といたしまして、健診の無料化というものを選択されることもあろうかなと思いますけれども、そこは市町村のほうで検討いただきまして、このスキームにのるようなものでございましたら、県といたしましても支援をしていきたいというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)島根原発の再稼働について、補足の答弁させていただきます。  鳥取県と島根県の意見が異なった場合の対応ということでございましたが、本県の安全協定につきましては、立地自治体と同様に運用されるということを、中国電力にも文書で確認しております。したがいまして、鳥取県が提出する意見は、立地自治体の事前了解と実質的に同じでありまして、本県の意見は尊重されなければならないものだろうというふうに考えております。今回の改定協議におきましても、見出しの部分でございますが、計画等の事前報告及び見直し、それから、中国電力が事前に報告して、特に県市の意見に誠意を持って対応するという文言が付け加えられました。誠意を持って対応するということは、これまで双務的な応諾義務として規定されていたものが、これまでの実務に実質的に即した形であり、中国電力が県の意見に対応するという、事前了解と同じ手続がより明確になったということで、一連の手続が、その計画等の事前報告の中で具現されているというものでございます。また、昨日の改定協議会におきましても、協定の運用が、これまでどおり立地自治体と同様に対応させていただくという文書を得るということを確認しております。  仮に、これは仮にでございますけれども、再稼働におきまして、鳥取県と島根県の意見が異なった場合の判断ということでございますが、それは中国電力の問題でございまして、意見を受け取る側の中国電力が両県の意見をよく聞き、十分な説明や協議を行って、最終的な同意を得ることが必要だろうと思っております。このためには、中国電力には、実務を積み重ねまして、信義に従い、誠実に行わなければならないことをしっかり理解してもらうことが必要だろうというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)6番市谷議員 ◯6番(市谷知子君)その答弁いただきました島根原発に関する、この鳥取県の事実上の事前了解権ですね、誠意を持って対応するという文言がついたと言われるのですけれども、鳥取と島根で判断が違って、鳥取がノーと言った場合、島根はイエスと、もう最後は中電の判断だとおっしゃいました。中電の判断では困るのですよ、鳥取県がノーと言ったら、ノーということにならないと、これは事実上、事前了解権が担保されたことにならない。知事が再稼働イエスと言われるのだったら、そうかもしれませんけれども、私はノーと言っていただきたいですし、中電の判断任せでは駄目なのですよ。ですから、鳥取県がノーと言ったらノーになるということをきちんと確認していただきたいのです。私はこの確認されていない状態ででは、これは、今の状態では安全協定は合意できないと、この間、全員協議会で、何か議長がまとめられて、おおむね合意だということで言われましたけれども、私は今日聞いただけでも、これはもう、このままでは合意できない。今の点を確認していただきたいです。  また、ロシアが原発施設を攻撃して──これは中国電力がテロ対策の重要文書を無断廃棄したことを私は思い出しました。この事件について、経産省に聞きますと、中国電力は契約も守らず、保安審査以前の問題だというふうに私は言われました。こうして経産省もあきれるほど中電の対応は信用できません。そこで、原発再稼働までには、その保安規定の変更許可、また設置変更許可、工事計画の認可、事前検査と、これは再稼働まで幾つも手続があります。これを全て鳥取県の事前了解を得るように中電に求めていただきたいですが、知事、いかがでしょうか。  また、原発事故による経済的損失、前回これをあらかじめ見積もるのは困難、仮に事故が起きて、損失が発生した場合、国と電力会社が責任を持って対応すると答弁ありましたけれども、これは本当でしょうか。前回言いましたが、法政大学の上岡教授の試算では、30キロ圏で経済的損失4,092億円、50キロ圏で1兆2,487億円、鳥取県の年間予算が3,600億円で、鳥取県のGDPが約2兆円ですから、それ相当の経済的損失になって、それが何年続くか分かりません。また、国と電力会社が責任を取るといっても、福島原発事故の賠償請求権は10年の時効があります。賠償打切りだとか、裁判で訴えないと賠償してもらえない、こういう実態が今展開されております。福島原発事故から今年で11年、被害は収まったのか、故郷に帰れたのか、精神的、肉体的苦痛は取り除けたのか、被害はまだまだ続いています。これを知事はどう思いますか。また、汚染水の海洋放出、これをするというのも以前回答がありましたけれども、こういうことをするというのを漁協にちゃんと確認されたでしょうか。  次に、水田転作交付金の削減、見直しを求めるとはおっしゃいませんでした、米価補填はしないという答弁でした。でも、米の収入環境は悪化の一途です。  資料を見てください。経営安定対策水田交付金の交付実績、これは米戸別所得制度が廃止されてから、平成29年の約1万7,000件、32億円から、令和2年度3,908件、18.8億円と半減しております。あと、県がよく、飼料用米の転作加算を5,000円に増やしたと言われるのですが、これは面積を拡大しないと出ません。今度国が飼料用米の転作交付金を半分に減らしたら、農家が面積拡大するでしょうか。  また、資料下のほうです。米の収入減少を補うナラシ対策、これは加入者、29年363件から、昨年は159件にがた減りです。交付実績も900万円から、令和元年以降は僅か50万円以下です。こういう状況にあって、行政懇談会のときに、市町村長さんのほうから知事に米価支援してほしいという要望が出ていました。私は県として、やはり支援すべきだというふうに思います。今年の米の在庫の伸びですけれども、鳥取県は115%、全国102%、全国より在庫が増えています。県が在庫米を買い上げて、こども食堂に提供すること、知事、いかがでしょうか。  また、農業の担い手育成、鳥取県はこの5年で2割も農家が減り、農地を守る直接支払は、取組面積が増えても取り組む組織が2つも減って、カバー率56%です。島根県のように半農半Xで農業を兼業とする方にも一定の給料を保障して、法人の担い手を育てること、知事、いかがでしょうか。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷議員から重ねてのお尋ねがございました。  先ほど水中局長のほうで御答弁申し上げましたが、ちょっと理解いただけなかったようですので、もう一度その趣旨も含めて申し上げますが、鳥取県がノーと言ったら、再稼働されないということ、盛んにそこだけ言葉尻捉えられるのですが、前回のやり取りを思い出していただければと思うのです。結局ですね、その関係は、我々と中国電力の関係、我々は中国電力に言うことを聞かせたいわけです。したがいまして、昨日もやり取りをしましたけれども、中国電力は、島根県と同じように扱いますと言って、では、それを文書で下さいと、文書を出しますと、そういうようなことを、この議場での全員協議会の議論に基づきまして、やり取りをさせていただきました。ですから、我々は、我々がこういったことに対して誠実に対応すると。それも島根県と変わらないと言っているから、我々の言うことは聞くだろうというふうに、私たちはそれを求めるべきだし、もし聞かなければ、裁判所に持ち込んででも聞いてもらうというのが我々の考え方なわけであります。これは相対効というふうに法律でも言われるのですけれども、これは我々と中国電力の関係ですが、島根県も同じように関係があると。向こうは向こうで、せめて鳥取県と同じように扱えよと、当然そう言うでしょうし、向こうは気分的にはうちが上と思っているかもしれませんが、ただ、いずれにせよ、それは言い方が分かれたとしたら、そこの調整をすべきなのは、両方に約束しますよ、言うことを聞きますよと言っている中国電力が自分で調整して、答えを出すべきなのです。そういう意味で、中国電力が最終的にはそこの責任を取るべきだということを申し上げているわけであります。  その後の工事計画認可や賠償、汚染水等につきまして、これにつきましては、また水中局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  また、賠償につきましては、実は安全協定の中にも盛り込んでいまして、それから、法律でも決まっています。これは国も含めた責務になりますし、水の問題については、鳥取県独自の条件づけで、これまでも要求しているところです。  農業問題につきまして何点かお尋ねありましたが、農林水産部長からお答え申し上げます。 ◯副議長(広谷直樹君)時間です。総時間75分を経過いたしましたので、暫時休憩いたします。        午後2時30分休憩    ──────────────── ◯議長(内田博長君)皆様に申し上げます。本日は東日本大震災発災から11年目に当たり、間もなく発災時刻である午後2時46分を迎えます。鳥取県議会においても、犠牲となられました皆様に対し、改めて哀悼の意をあらわすとともに、御冥福をお祈りするために、1分間の黙祷をささげたいと思います。時刻までしばらくお待ちください。  議場の皆様は、御起立願います。  黙祷。  〔全員黙祷〕  黙祷を終わります。  御着席願います。        午後2時47分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  11番川部洋議員 ◯11番(川部洋君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の川部です。改めて壇上からも11年前被災された方に哀悼の意を表したいと思います。  それでは、まず、デジタル化による県庁業務改革と議会のデジタル化との連携について質問したいと思います。  令和3年9月にデジタル庁が発足しました。鳥取県では、令和3年4月に鳥取県情報技術活用推進計画~Society5.0推進計画~を策定し、県民生活を向上させるためのデジタル化に向けて動き始めています。日本中でデジタルトランスフォーメーション、DX、デジタル化の推進の動きが加速していますが、どこよりも積極的に自治体のデジタル化に取り組んでいかなければならないのは、鳥取県のような地方だと考えています。こうした自治体のデジタル化は、まずそれを主導する役所、鳥取県庁こそが真っ先に取り組むべきことだと考えております、まず「隗より始めよ」です。現在コロナで職員の在宅勤務が多くなっていると思います。今後も感染症の流行や大規模災害で職員が登庁できない事態は十分に想定されます。いつでもどこでも、リモートで業務ができるような環境を早急に整備することが必要なのは言うまでもありません。スマートフォンやタブレット、パソコンを使って自宅、職場、そして移動中など、場所や時間にとらわれず仕事ができるようにしていることは、民間のリモートワークでは当たり前になっています。県庁業務においてもリモートワークができるような業務環境の改善を早急に進めるべきであります。  また、今後デジタル化の進展は、公的な業務の官民の垣根をどんどん下げていくものと想定されます。例えばデジタル庁では、専門スキルを持った民間人を多数登用し、官民構成のハイブリッドな組織で業務を進めています。そこでは民間で当たり前に使っているデジタルツールやアプリケーションを普通に使っているようです。デジタルスキルを持った民間人材の採用は、地方自治体においても避けては通れません。デジタル庁のように、民間が普通に使っているデジタルツール、アプリケーションの導入が求められていると思います。また、これまで専門の事業者に外部委託していたような業務、特にデジタル化に関わる分野については、民間企業と県庁の職員とで共同で業務を進める形の官民連携、官民協働も多くなってくると思われます。そうした県庁外の組織との共同での業務に備え、インターネットやクラウドを使った外部と共同作業ができる環境の整備は必須であります。電話やメールだけでなくビジネスチャットなど、既に民間が取り入れているコミュニケーションツールやアプリケーションの導入も進めていかなければなりません。セキュリティーの問題もありますが、それはデジタル技術と運用ルールでクリアできるはずです。ネットワークとクラウドを利用したオープンな環境で県庁業務を改革していくことが、自治体DXの一丁目一番地ではないかと考えています。  来年度執行部行財政改革局と情報政策課を再編して、デジタル・行財政改革局が新設されます。ここでデジタル化による県庁の業務改革も当然進められるものと思いますが、どのように進めていこうとされているのか、知事にお尋ねします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策の出口について質問いたします。  今議会でも既に何人かの議員が、新型コロナウイルスについて質問しています。我が会派の藤縄議員の代表質問においても、5類への見直しについての質問がありました。それに対する知事の答弁は、見直しは時期尚早ではないかというものだったように記憶しております。現行でも状況に応じた柔軟な対応をしており、感染を抑えながら、経済も回していくことは、5類にしなくてもできるのではないかというふうな趣旨の発言だったと記憶しています。  皆さん、第五波が落ち着いてきた昨年末のことを覚えていらっしゃいますか。あの頃はコロナの出口が見えたような気がして、みんなの気持ちが明るくなっていたと思います。長い暗闇を過ぎて、夜明けが来たような高揚感が世の中に漂っていたように感じました。ところが、年が明けて第六波が広がると、空気が一変しました。夜明けを期待していた分、前よりもさらに深い闇の中に戻されてしまったような感じになっています。とりわけ観光関連業者、飲食業者にとって落胆と諦めは想像するに余りあります。鳥取県はきつい規制を要請しているわけではない、支援をするから、感染に気をつけて何とか頑張ってくれ。それは分かるのですけれども、もう頑張れないような状況になっているように感じています。多くの人が、コロナの対策をしない普通の生活を望んでいます。一日でも早く感染の流行を抑えて、普通の生活に戻したいという思いは、知事も強く思われていると思います。だからこそ、新型コロナウイルス感染症対策の出口について、改めて質問しているわけです。  対策の出口、感染対策のゴールは、感染症について意識しないコロナ前の生活に戻ること、すなわち、マスクをしないでいい、対策をしないでいい普通の生活を取り戻すことだと私は考えています。そのための方法の一つが、5類への見直しだと思います。5類にするということは、新型コロナウイルス感染症が5類相当のおそれしかない病気だということであります。5類にするということは、感染を抑えるということをしない、感染はあり得ることだとして、個人の予防と医療で対応しようとするものであります。ただ、怖くないといっても、新型コロナウイルス感染症もウイルス性の呼吸器感染症であり、高齢者や基礎疾患のある人にとっては重症化のおそれがあります。なので、インフルエンザと同じような対応は必要でありますが、ふだんの生活は普通にやりましょうというものであります。  私は2020年6月にコロナについての質問をしました。知事はもうはっきりと、インフルエンザや風邪とコロナは違うというふうな答弁をされました。私は当初から、一部の専門家は、新型コロナウイルス感染症は1類や2類に相当するような病気ではないと言っていたのを、そのことを合理性があるというふうに判断して、質問したわけです。ただ、そういう議論をするには、当時はまだ早かったのかもしれません。しかし、あれから1年半以上経過しました、当時よりもウイルスのことは分かってきています。感染力は高いが、致死率は低いと言われるオミクロン株の流行は、一般的なウイルスの進化過程から見て、新型コロナウイルスがヒトとの共生の方向に変異している、すなわち、怖くない病気になっていることを示しているという論もあります。ワクチン接種も進み、治療薬にもめどがつき始めています。現在国のほうでも、5類への見直しを議論すべきではという声も出てきています。都道府県知事の中からも同様の声が上がり始めています。世界を見渡すと、欧米を中心にコロナによる規制を撤廃する国も出てきました。こうした動きは、決してデマや希望的観測だけを基にしているわけではないはずです。  知事が代表質問で答弁された時期尚早と言われたのは、5類に見直すことを否定されたのではなくて、あくまで見直しをする時期の問題であって、今はその時期ではないというふうな理解でいます。改めて5類の議論も含めて、出口の議論をする時期に来ているのではないかと私は考えています。コロナによる規制の撤廃など、対策を緩めるような動きが出始めていることについて、どのように受け止めているのか、知事の所見をお聞きして、壇上での質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員のほうから私のほうに2つお尋ねがございました。一つは、デジタル化を進めること、特にデジタル・行財政改革局、これでどういうような役所の改革を進めようとしているのか、こういうお尋ねがございました。あともう一つは、新型コロナ、その出口論についてでございます。  デジタルのほうにつきましては、議員のほうからも度重ねて議場でも問題提起をいただき、実は我々も我々なりに受け止めて、そのテーストを行政の中に注入しつつございます。今回のデジタル・行財政改革局の設置というのは、デジタルという技術を使って、もう一層、言わば業務の効率化を図ることができるのではないか、あるいはサービスの向上、そうしたことができるのではないか、これを組み合わせて、一緒の部局におきまして、要は、専門家も入りますから、その専門家も入った目線で行財政改革というのも取り組める、そういうフィールドをつくろうという趣旨でございます。ぜひその実を上げていければというふうに思います。  以前もこういうようないろいろやり取りをさせていただいて、思い起こしながら今伺っておったわけでございますけれども、なかなか役所がこうしたデジタルを入れると、いろいろと使いづらかったり、今アプリケーションのお話だとかありましたけれども、民間で普通にやっているのと違うことをやって、かえって面倒になったのではないかと、こういうようなお話もございました。いろいろと反省をしながら進めているところなのですが、例えば行政の申請ですね、電子申請システムにつきましては、これはちょっと前まで1,000件程度だったものが2万件を超えるぐらいに増えてきていると。やはり結構これはつくってみると、なかなか大変なのですけれども、ただ、それぞれの部局で、このコロナで、ある意味教訓といいますか、いいレッスンを受けたと思います。コロナだからこそ電子申請ということをやらなければいけない、それで各部局が結構一生懸命になりまして、プラットフォームから作り込んでいくということをさせていただきました。  おとといもお話がございましたけれども、今新型コロナのオミクロン株影響対策の応援金というものをつくらせていただいて、もう既にその配分が始まっていますけれども、やはり電子申請を入れることによりまして、1週間10日でもう動けるようになったということですね。やはりそれは非常に住民の皆さん、事業者の皆さんの利便性が高いですし、また、こちらからしても、一遍に1,000件とか来ますから、僅か1週間で1,000件ぐらい申請が来てしまった、それもこなせるわけでありまして、今までではちょっと行政では考えられないような、そういう仕組みができたということだと思います。あるいはRPAをやったらどうかという御提案もございまして、そのロボット化なども試させていただき、威力を発揮したなと思いますのは、5月頃になります、自動車税の季節になります、そのときに、言わば名寄せというようなことをやるわけでありますが、そうしたことを今まで人海戦術でやっていたものが、AIを駆使しましてロボットでやれるようになると。そうなると、1人当たり、年間945時間も減ったということでございまして、やはりこういうのを導入すると、もっとその分ですね、やるべき仕事に時間を割けるようになりますし、要は、組織の合理的な設計にもつながってくるということも分かりました。  議員のほうから以前この議場で御指摘いただいたのは、庁内LANでありました。この庁内LANが非常に厄介で、何か文書を見ようと思っても、一々変換をして、無害化をしてやるとか、それから、仮想空間でやり取りをしなければいけないので、インターネットを見るのと通常の業務とあまりにも分離が激しいと、そういうお話をいただきました。何とかならないのかなということで、これを実は平成30年からDX県庁3年計画の一つの中枢として進めたのですけれども、そのときに議員の御提案なども入れて、今は順次完成してきています。取りあえず、例えば何かファイルをもらったときに、それを無害化して、この庁舎側のほうといいますか、自分たちの行政側のほうで閲覧することができる、逆にこちらのファイルを外のほうにも、適正に監視をした上で送ることができる、こういうようになりまして、前いただいた問題点は一つ解決したかなと。それから、今お話がございましたことなど、新年度以降また取り組んでいくのかなと思うのですが、その庁内LANを無線化をすることによって、何だったらリモートワークなどもやりやすくなるというようなことを今やろうとしているところでございます。  新年度に向けまして、これまでの経験を生かしながら、デジタルを通じた行財政改革、役所の姿というものを変えていこうというふうに考えております。これは国も今動いています、12月にはデジタル臨調というのができました。ここでそうした行政絡みで、いろいろな規制があったり、それから、様々な制限だとか、そうしたものがあるものを撤廃しながら進めやすくしようと。また、デジタル庁もできまして、そちらのほうでも、やはりデジタルの構想会議というのがあって、私も出させていただいていますが、そういうところで牽引をしながら、もう近々ですね、市町村の基本的なシステム、例えば住民基本台帳だとか、ああいうものを全国統一をしながら、要は、効率的にやれるようにしていこうということを今模索されていると。私ども地方のベンダーもちゃんと生き残れるように、それをアプリケーションだとか、参画の余地をちゃんとつくれと今要求しているのですが、こういうようなやり取りをしながら、恐らくその行政がここから数年間でデジタルで変わってくる時代になってくると思います。本県としても、そこを見込みながら、挑戦をしてまいりたいというふうに考えております。  議員がおっしゃるように、専門人材の力というのは大事でありまして、いろいろな提案をしてくれる、Society5.0の応援団のような、そういう企業さんとのパートナーシップというのも組みましたし、それからCIO補佐官として先生方には入っていただき、例えばビッグデータの扱いだとか、そういうことを、新年度の予算の中でも、デジタル改革の中で行財政に絡むものとして提案をさせていただいているところでございます。もう一段加速をしてやっていく、そのための組織であるというふうに御理解をいただければありがたいと思います。  後段のほうの新型コロナの関係でございますけれども、ちょっと代表質問の私の言い方が舌足らずだったか、あるいは誤解が若干あったとしたらそこはおわび申し上げなければいけないのかもしれませんが、時期尚早と言ったというよりは、これから徐々に条件が整ってくるだろうと、それに応じて、いずれはそういう本当の出口と言えるようなとき、私たちとして前回も議論した5類のようなことというのは、そう遠くないところで出てくるかもしれないと。  だから大分当時とは事情は変わってきています。それは一つは致命率の違いということもあります。ただ、致命率が低くなったとはいえ、これが専門家の調査では、季節性のインフルエンザが0.09というところに対して、今回のオミクロン株、これは0.1を超えて0.13とかそういうようなところだったと思います。有意に高いことに加えて、我が国は、ここからまだ実はデータが積み上がってきますので、亡くなられる方というのは大分遅れてきますから、まだこれから数字が上がってくるかもしれないし、特に厄介なのは、先般も議場で申し上げましたが、実はオミクロン株だけでなくて、デルタ株の残党がいるのですね、これがやはり時々出てくるのです。全国そうなんですけれども、同じようにPCR検査すると陽性というふうに出て、実はデルタ株だったりしますと、こちらのほうは、オミクロン株よりも致死率が、これもまた有意に高いものでありまして、これがゆえに、本県でも最近命に関わるような残念なことが医療に入ってしまったがために出てきているということでございます。ですから、そういう意味で、今すぐにできるかなというのは、岸田総理も含めて、もうちょっとかなという答弁をされているのですね。先般も厚労省から後藤大臣が予算委員会で答弁をされておられました。ワクチンとか、あるいは薬だとかそういうような環境がどう整ってくるのかということを見なければいけないと。特に2類と5類との違いでいうと、様々な違いがありますので、それを全部やめてしまっていいかどうかというところは、まだちょっと大臣としては、そういう段階ではないのではないかというようなお話をされていましたし、総理も、今まだオミクロン株の流行がこのような形で高止まりしている中で、例えばここで位置づけを変えるというのは、流行を抑える意味では適切でないという趣旨だと思いますが、現時点では、そこは変えるということは考えていないと、総理はこれを明言されていました。この辺を代表質問のときにも少しお話をした趣旨だというふうに御理解いただければと思います。  どういうふうに出口があり得るというふうに考えるか、また、私どもどういう主張しているのかということですが、実は知事会は、もともと一部の知事というよりは、我々ほぼみんなで5類に変えることも含めた感染症法上の扱いについては、そのウイルス、あるいは感染状況の実態に応じて見直すことはあるのではないか、こういう問題提起をかなり前からやっています。ただ、現状ですね、そういうような状況があって、ほどきにくいところも確かにあるんだろうと思います。  実は今日、昼の休憩時間中ですね、今日は新型コロナの感染症対策の分科会が同時に開かれていましたので、昼休みを潰してそちらのほうに出ていたのですが、まさに出口戦略の話などを議論しておりまして、尾身会長のほうで、また次回以降ですね、そうした中長期的なことも話し合っていくべきではないかと御発言をされておられました。いろいろとそういう機会に学者の話を聞くんですけれども、学者の皆さんは、割と明確にインフルエンザとは違うというのは、かなり断言的におっしゃいます。どういうふうに専門家が違うと言っているかというと、正体が分からないというのは一つ大きいようです。どういうふうに肺に入ったりすることが可能性としてあるのか。例えばこのたびも京都のほうで、小さなお子さんが亡くなりました。家で療養していたはずですけれども、ああいうのは多分、基礎疾患がなかったということでありますから、コロナ肺炎であった可能性があるのではないかなというふうにも思われます。場合によっては、やはり進行していくんですね。同じコロナの範疇の中にいて、なぜ重症化しないかといったら、意外に学者さんは、ワクチン接種が進んだからではないかとおっしゃるのです。それも分からないではなくて、本県でもやはりお年寄りの中には、ワクチンを打っておられない方もいらっしゃるのですね、それはいろいろな事情があると思います、そういうワクチンを打つことの理解ができないようなタイプの方がいらっしゃったり、私はもういいわという方も中にはいらっしゃったり。ただ、やはりそういうところで、我々自身もオミクロン株であっても中等症あるいは重症というふうに進む方を見ています。ですから、単純にオミクロン株だから重症化しないのかというのは、実は今ワクチンが世界中で打たれていますので、判定しかねるというのが多分実情だと思うのですね。ですから、子供たちの世界でもかなり広がっているのは、ワクチン接種の可能性が低いからというのもひょっとしたらあるかもしれないし、それをどう組み合わせて理解したらいいのかというのはまだ見えないと。そういう意味で正体が分からなくて、本当にここで普通のインフルエンザと、季節性のインフルエンザと同じように扱っていいかというのは、ちょっと判断しかねるというのは多分根底にあるんだと思います。  過去の新型インフルエンザなどでも急に事実上5類に変わりました。あのとき厚労省が撃ち方やめの号令を出しまして、全国一斉にやめたのですね、あのときはタミフルがあったというふうに皆さんおっしゃいます。当時非常に副作用の話はおっしゃっていましたけれども、ただ、タミフルという、有効性のある、そういう治療法が確立していたと。現在残念ながらその段階ではまだないだろうというのが、我が国の実情であります。ファイザー社のパキロビッドパックというのが使えるようになったと、これは前のモルヌピラビルよりも、メルク社のものよりも効くだろうと言われる。実は、私もそうですけれども、割と多くの方々が期待したと思います、だけれども、入ってきたら、意外に使えなかったと。それは割といろいろな薬の飲み合わせの問題が絡んでしまって、飲ませられない人がいっぱいいるわけですね。そういうようなことであって、実はあれが出口になれなかったということが多分あるんだと思います。そこで今塩野義製薬さんのものが、2月25日に申請が出ました、これがどうなるかということですが、先般も、割と政府筋の方とお話をしていたのですけれども、一般的にそう簡単に認可できるものではないと。また、お医者さんが使いこなせるようにならないと、治療の世界で、あっちでもこっちでも使っているよって状態にならない。それには、経験的にはまだ数か月かかるということらしいのですね。そうなると、それが出口になれるかというと、少なくとも今月の話ではなさそうであります。だから、そういう意味でもうしばらく時間が要るのかなというふうに思いますが、ただ、こうやって薬剤のほうも進歩していきますし、それから、ワクチンの接種も、恐らく今月中には、本県の高齢者の方はほぼ打ってしまうという状態になれる。また、一般の方々もそこそこ打たれる、子供たちも打つようになる。こういうのが、恐らく3月、4月、5月と進んでいくと、進展をしていきます。そうなりますと、やはり出口と言えるような、普通に暮らしていて、かかったらお医者さんに行って直せばいいと。それであともう一つ大切なのは、お医者さんで検査ができると、検査して、診療して治療ができる、こういう体制が医療側でもできる。これと薬とワクチン、この辺がそろってくると、恐らく岸田総理も含めて、出口の光というのが見えるというふうに考えているのではないかなと私は想像しますし、私もその考え方は的を射ているのではないかと思います。私ども保健衛生を担当しているからなのかもしれませんが、本当に亡くなられた方がいたりされますので、それは本当に悲しいです。一人一人の命というのは、やはり最後まで大切に守り切りたいというふうに思っていますので、今の環境として、その辺の一つの保障が出来上がるのは、やはり待つべきなのかもしれません。それまではもうしばらく国民の皆様にも御協力いただくという時間になるのかなと。  ただ、その間の協力の仕方というのは変わり得ると思います。それは議員が今おっしゃったとおりに、どこまで規制をするか、どこまで自制してもらうかというのは、だんだんと変わり得るだろう。今日まさに実はその議論もしていたわけなのですけれども、例えばイベント、いろいろイベントをやってみました。国も、多分オリンピックがあって、夏頃、大分イベントも騒いだのだと思うのです。それでイベントの基準5,000人がどうだとか、1万人がどうだとかですね、それから大声を出すイベントがどうだとかいろいろ言いました、果ては、今ワクチン検査パッケージということも言ったりしている。ですが、いろいろやってみて、やはりちゃんと注意をしてイベントをやっていれば、そんなに感染が広がらない、この辺はもう確信に近くなってきているのですね。今日政府の分科会でみんなで議論したのは、そういう意味であれば、ワクチン検査パッケージだとか言う前に、イベントについては緩やかにしてはどうだと、例えばそういうようなことを今日議論しています。飲食のこともそうです、飲食については、では、どう考えるか。また、学校だとか保育所だとかどう考えるか。こういうものをそれぞれ領域ごとに、今までは抑制的にばかり考えていたかもしれませんが、ここまではやって大丈夫だということは多分あるのだと思います。  鳥取県のことでいえば、繰り返し申し上げているように、飲食店でそんなに今クラスターは起きていません。ぽちぽちと感染はあっても、広がることはあっても、それが何か幾つもお店中に広がって、幾つも幾つも町中にということの発端にはなっていない。であれば、何が違うかというと、この間、デルタ以降、やはりお店側の考え方や設備が変わっているのですね。第四波以降、一気に認証店が増えています、その認証店の方の意識は確かにあるのですけれども、ただ、一応の心構えや、それからお客様の協力体制というのもできているという、そうした中で変わってきているので、そういう意味で動かし得るような状態になっている。であれば、昨日私どももアナウンスをさせていただきました、例えばこれから一月間、飲食してはいけないとはあえて言っていないのですね。ただ、飲食をされるのであれば、こういうことに注意してくださいと。これはもう皆さん、今までも慣れていることなんですけれども、これをきちんと徹底していただければ普通に過ごすことができると。鳥取県の場合は、我々も一生懸命労力を費やして、お金も使って、無料検査とかも徹底して、今レベルとしては全国最低レベルに下がっていますから、そういう中であれば、一定程度の社会生活はできるはずだし、そのために我々は頑張っています。こういうことで緩めていくことを段階的にやっていくことで、2類だ、5類だという、皆さんが漠然としてイメージしている、5類になると自由になるわというイメージでおっしゃっているのでしょうけれども、そういうような社会生活の面では、一定程度元に戻せるということになっていくのではないかなと思います。  ただ、感染症の書いてある規定は、病院に行ったときにお金払いますか、それを払わなくていいですよが2類、5類は払いなさい、であれば、多分皆さん、2類のほうがちゃんと医者へ行ってくれるので、広がらない。それから、今ちょっと正体が分かりませんから、ある程度は協力していただきながら自制していただくと、周りに感染症が出たとか、まして御本人であれば、御本人がこの隔離というようなことに応じていただく、これが2類であります。5類になってしまうと、もう全部放り出しますので、そうしたら、際限なく感染が広がるかもしれないと。まだ治療法が確立していなければ、そこはやはりリスクがあるというふうに思わなければいけないのかもしれません。ですから、そういう意味でいろいろと工夫をしながら、議員がおっしゃるように、段階的に経済、社会をもっと活動しやすい姿に戻していくということは、私は可能ではないかと思っております。 ◯議長(内田博長君)11番川部議員 ◯11番(川部洋君)答弁いただきました。  まずは、先にデジタル化のほうをやりたいと思います。  僕は、県庁のほうも本当しっかり取り組んでいらっしゃるというのはよく理解しております。このたびの組織改編もそれに向けてさらに加速するというのを理解しておりますが、質問の中で言ったキーワードは、私は多分デジタル化による官民連携のところだと思っているのです。県庁の仕事をクローズなままでデジタル化ではなくて、やはり一般的なセキュリティーのことがあるのは承知しているのですけれども、一緒に外の組織、それから人材と仕事をできる環境をつくっていくということが、私はこの本当の意味でのデジタル化に求められているのではないかというふうに思っておりますし、当然そのことは担当もよく分かっていらっしゃると思いますので、これから変わっていくとは思いますが、ぜひともこのデジタル化による官民連携というのを意識しておいていただきたいかなというふうに思っております。  それで、議会のデジタル化との連携についてです。今外部との連携、官民連携のことを言いましたけれども、県庁の中では、ある意味議会もちょっと外部なわけであります、こことどう連携するかというのは、この自治体のDX、デジタル化にとってすごく重要なところだというふうに考えております。行政と議会が車の両輪と言われるように、やはりこの行政DX、自治体DXにおいても議会と行政部門、教育委員会、警察も含めて行政部門と一緒にやっていく、切っても切り離せない関係にあるというふうに思っています。鳥取県議会はタブレットを導入して、会議のペーパーレス化、そしてリモート化、リモートによる会議の開催等にもう積極的に取り組んでおります。今議会の委員会でリモート開催したわけですけれども、事務局の調査によると、都道府県議会で採決まで行ったのは、鳥取県議会が初だというふうなことを聞きました。とにかく以前から改革にはしっかり取り組んできた鳥取県議会ですけれども、いろいろな新しいことにチャレンジしながら、議会を運営していこうとしているわけで、私自身も非常に誇らしく思っております。  ただ、先ほども言いましたように、このデジタル化の推進において、議会単独で進めるということが、ちょっとやはり困難な部分が出てきています。特にこのペーパーレスは、委員会でやってはいるのですけれども、結局紙ベースで資料が作られて、それをタブレットで見るというふうな流れになっていて、これはまた後で言いますけれども、何かかえって手間がかかったりだとか、非常に見にくかったり、使いにくかったりする。これはアプリケーションの問題もあったりするのですが、そもそもその辺りのデータの共有化、書式の共有化というか、書式自体をデジタル化に併せて統一するということが必要になってくると思っています。それは議会だけではできないことだというふうに思っています。  以前予算要求資料だとか予算説明資料、決算説明資料の書式の統一化をすれば、業務効率が上がるのではないかという提案をしたと思いますけれども、このデジタル化による書式の統一化も、多分今まで作ってきた資料がそのまま生かせるということで、事務局職員にとっても非常に効率化につながるというふうに思っています。こうしたような議会と、それから県庁の行政のDXですね、業務の効率化、デジタルによる効率化というのは非常に重要なことだと思っております。こういうことを進めるために、議会、議員、そして事務局職員と、それから知事部局、教育委員会、県警含めた県庁組織で、どういった形がいいのか分からないのですけれども、プロジェクトチームみたいなものをつくって、議会と県庁と一緒にこのデジタルによる業務改革を進める、連携していくことが必要なのではないかと思いますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事
    ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねてのお尋ねがございました。  詳細はまた戦略監の森田のほうから説明をさせていただきたいと思いますが、一つは、官民連携のこと、これにつきましては、先ほども申しましたように、Society5.0をやるに当たりまして、いろいろなベンダーの会社の方などに入っていただいたり、また全国で様々な活動をされている、そういう方々とも連接をさせていただきまして、いろいろと提案をいただきながら実現しようということに動いてまいりました。今回新しい組織をつくりますが、その中でもそういう官民連携が重要だというのはおっしゃるとおりなのだろうと思います。これは多分テクノロジーと、それから、デマンドといいますか、要求のほうと両方あるんだと思うのですよね。技術のほうから説き起こして、そうすると、ここで新しい仕事ができるという部分、その見方と、それから、現場から見て、こういうことがあったらいいなというのが、これが出会わないといけないと。どうしても行政職員だけですと、片方だけになってしまって、技術、今だったらこういうアプリケーションがあるのにな、例えばこういう市販されているアプリケーションをちょっと変えればできる、そういうのもやはりあると思うのですね。そういうカスタマイズをしていって使いこなすものというのは多分あり得るわけでありまして、そういう意味では、そこのところのやはり共同作業というのは確かにあるのだろうと思います。役所なので、どうしても調達手続などの難しさといいますか、公平性の問題はあるのですけれども、いろいろと試しながら、幾つか実例をつくっていくことがまず大事なのかなと思います。新年度の中でも取り組んでいければと考えるところです。  今後段でおっしゃったようなこと、そうしたことにつきましても、また森田戦略監からもちょっと説明いたしますけれども、できることをいろいろと探していけるのかなと思います。例えば今予算要求資料があります、この予算要求資料というのは、割とうちは今ペーパーレスで査定作業しています。その査定作業のところで、その後、議会提出資料のところでペーパーになってくるわけですね。ここのところを全部一貫してそれが動いていくような、そういうシステムというものを考えられないのかなと。私どもも知事部局のほうで、全国よりも多分いろいろとやっているほうの県だと思うのですが、例えばいろいろと地方機関がございます、そういうところの数字の積み上げをつくるわけですが、直接もうそういう地方機関から入力してもらうということをやったり、それから、説明資料などもいろいろと工夫をしまして、要は、余計なものを作らなくても一通りのものは動くようにして、査定自体も一発査定で予算をつくるというようなことでやりますから、いろいろと我々なりの工夫もしているところでありまして、これを多分議会の皆さんのほうのお仕事、我々ふだんちょっと見ているわけではないのですけれども、そちらとうまくつなげていって、議会もそういう意味でペーパーレスも含めていろいろと手間が省けるということになるのではないかなと思います。  例えば海外を見渡してみましても、私もアメリカの州議会、県議会のようなものでありますが、見に行って、まずびっくりしたのは、机の上にパソコンがどんと置いてあるわけですね。それを皆さん審議しながらちゃかちゃかやっていたりしている。そういうものかなと思いながらなのですけれども、審議自体も長々と退屈なものでございまして、言葉の問題もあるのだろうと思いますが、そんな皆さん思い思いにいろんなことをやって、調べたり何だりやりながらやっている。そこで多分インターネットで調べ物もしたりして、それで多分討議の中にも生かされたりしているのではないかというふうに推察をしながら見ているわけでありますが、そういう議会のスタイルというのは、だんだん日本にも浸透してきているのだと思うのです。  ちょうど震災の頃、西部地震の頃に日南町の議会に行って、当時の議長さんに大分自慢されたのですけれども、やはり議場にパソコンを入れたわけです。そういうようなことから始めて、今ではこのタブレットを日南町議会さんは入れていて、それで議会資料のペーパーレス化をされておられたりします。  やはりそうしたところにいろいろな経験があるはずなので、そういうものを歓迎しながら、私たちも共有できるのではないかなというふうに思います。  議員がいみじくもおっしゃいましたけれども、恐らくそれはシステムの問題というよりも、仕事のやり方とか、ありていに言うと、例えば様式とか書類の作り方だとか、その辺のことが非常に影響しているのだと思うのです。だから、例えばこういう書類はもう本当は要らないならやめてしまえというふうにすれば、そうするとシステムに乗りやすくなって、見るほうも一目瞭然、それでちゃんと中身も把握できると。要は、あるのはデータだけの世界なので、そのデータをどういうふうに構成するかということであれば、もう少しシンプルになり得るのかなと。この辺を実は、いわゆる行政改革的な手法なのだと思うのですが、要らないものを捨てていったり、もう一度仕事のやり方を整理することと併せて、このシステム化ということをやっていかないと本当の意味でうまい出口にたどり着けないのではないかと思います。  実は、県庁でもかなり前に決裁のシステムというものを電子決裁で導入をしたと。そのときにいろいろと仕事のやり方を変えたわけです。それまでであれば、スタンプラリーでありまして、一人一人判こを押しながら、全員の判こをもらってくると、初めて決裁が終わりと。そうすると、それをシステム上でやると、誰かが止めたら、とてもではないけれども、進まなくなります。それで、職位の上の人だけが次の決裁権を持つようにして、ほかの人は見るだけにして、文句があったら言ってくれと。そうやってちょんちょんと進むようにしたと。そうすると、やはり効率的に仕事もはかどるようになるわけですね。  あと、添付書類が実は問題で、いろいろなものをやはり役所の常でして、あれもこれも添付しなければいけない、たくさんつけるわけです。そうすると、それが今度はシステムに乗らないわけですね。だからもうこういうものはやめてしまえということにして、その決裁というのを組んでいくと。  つまり、仕事のやり方の改革をして、それとシステムの立案といいますか、構成を考えていくことで初めて全体として何時間減ったとか、これだけペーパーレスになったとかいうことが出てくるのだと思います。  この辺は我々も経験してまいりましたし、お互いに議会の皆さんと我々、基となる資料なりデータを持っている執行部と突き合わせをすることでそれで成果が上がるのであれば、ぜひまた御協力もさせていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)森田デジタル戦略監 ◯デジタル戦略監(森田厚史君)補足の答弁をさせていただきます。  官民連携のお話がございました。行政のみではなくて、民間企業等でも難しかった課題解決のアプローチにつきまして、官民が連携して対応を行うことが可能だというふうに思っています。議員からもお話がございましたが、現在でも、ビジネスチャットというようなものを使っております。特に、例えば防災の分野では、県と様々な防災機関が災害時に連携を取ることが必要になりますが、こういった機関で連携を取れるような仕組みを今設けているというところでございます。  こういった取組につきまして、様々な事業を進める中で関係者の皆さんと議論をさせていただきながら、どういう仕組みがいいのかということを考えながら進めていくことが可能だというふうに考えているところでございます。  新年度、新しい組織になりますけれども、デジタル技術を生かした業務のやり方とか、業務改善、こういったことに取り組んで、県民生活の向上につなげる県庁のDXを進めていきたいというふうに考えているところでございます。  また、議会との連携のお話がございました。県のほうでは、平成16年から、知事も答弁しましたけれども、電子決裁を導入しております。県で導入していますグループウエアを活用しまして、様々なデータベースを活用して、その上で事務処理を今行っているところでございます。議会のほうに提出させていただきます予算に関係する資料につきましても、予算の要求から査定、あるいは議会へ提出します議案説明資料、こういったものを実は執行部のほうでは、事実上データベース上でオートメーションで作業をしているところでございます。  今後は、議会でも御議論いただいた内容も執行部でも検討させていただきながら、どういう連携ができるか検討させていただきたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)11番川部議員 ◯11番(川部洋君)知事は本当によく分かっていらっしゃるので心配はしておりませんが、具体的にやはり進めていかないといけないということで、ぜひ新年度、どういう形になるか言われなかったのですけれども、ぜひとも議会と連携した上で、このDX、デジタル化を進めていっていただくようにお願いいたします。  それでは、ウイルス感染症対策の出口について、引き続きやりたいと思います。  知事のお話は本当に分かりやすくてよく分かりました。基本的な考えは決して変わらないと思っています。みんなが元の生活に戻りたいのだと。そのための方法としてどうなのだというところを議論しているわけですけれども、知事という立場でやはり県民の命を預かっているということで軽々なことは言えないということはよく分かります。  それで、この2年ほど、私もそれこそ質問をしてからでもずっといろいろな情報を入れてきて、ウイルス感染症とは何だろうなと、ウイルス感染症の終息とは何なのだろうなということをやはり考えるわけですね。  これまで人類は何度かウイルス感染症の流行に見舞われてきたのですけれども、特にワクチンとか治療薬がなくてもきちんと生き残って、当然短い期間では被害があったりするのですけれども、また元の生活に戻っていくということを繰り返し、乗り越えてきたということがあります。  それは多分、本当に一般論なのですけれども、人の側もウイルス感染症のかからない人、それから強い人がいると思うのです。そういう人が生き残る。それから、かかったとしても治って、要は抗体を持って、免疫ができてみたいなことが広がっていって、人の側も対応できていく。これが多分進んできて、ワクチンだとか治療薬で抑えるということを今できると思うのですけれども、昔もそうやって生き残ってきた。  ウイルスの側も、これもよく言われる一般論なのですけれども、ウイルスは単独では種の保存ができない。動物に寄生というか、動物の中の細胞でしか繁殖ができないということで、要は宿主を殺してしまっては生き残れないということで、一般的にですけれども、毒性は低くなるほうで変異していくはずだというふうなことが言われています。  そうなってくると、終息というのはウイルスがなくなることではなくて、ウイルスとやはり共存する、ゼロコロナではない、ウィズコロナというのが結局終息というか、ウイルスが頑張るのか人が頑張るのか、両方あると思うのですけれども、そういうことだというふうなことで認識しております。これは知事も大筋は変わらないと思います。  鳥取県は本当に頑張っていて感染を抑えている。これが例えばゼロに近くなってきたら、では緩めたらいいのか、緩めたら、また出てくる。では締める、この繰り返しだと、もう我慢できなくなってくるという、人の心情の部分ですけれども、飲食店からはやはりそういう声をいっぱい聞きます。飲食店のために緩めるわけではないのですけれども、普通の人も言わないけれども、やはりもう早く、一日も早く戻りたいというのが人情というか、人の心ではないかなというふうに思っています。  そうした中で、知事会でも出口戦略を考えているし、分科会のほうでもそういう話が出てきていると言われました。イギリスはもうコロナによる規制を完全撤廃すると言い切っています。アメリカなどもハワイが屋内でのマスクは必要ないよというふうにいって、50州全部マスクがなくなった。マスクがないというのは、要はほとんど感染対策をしないで普通の生活に戻していくというふうなことだと思います。結局まだまだ感染は広がっている。減ってはいない、ピークは過ぎたとはいえ、まだまだいるのだけれども、もう普通の生活でいいよという判断も出てきているということがあって、今回こういう質問をしています。  日本でも高止まりしているとは言われているのですけれども、当然ピークは過ぎて落ち着いてきている、この段階だからこそ、議論をしないといけないかなというふうに思っています。次、また増えてきたときに緩めましょうという議論はできないとしたら、やはり落ち着いてきたときにやるべきではないかなと思うところであります。  どうしても感染症が広がる段階では、公衆衛生的なアプローチで隔離、それから積極的に調査をして隔離していくというふうな手法を取らざるを得ませんが、これを緩めていくときは、もう知事が言われたように、個人の予防と医療で対応していくと、普通の生活に戻していくということをしないといけないわけで、それを五類にすることが全てではないというのは言われたのですけれども、みんな気持ちが落ち込んでしまっている。お店に普通に営業してくださいと言っても、お客さんが出てこない状態なのです。一押し、二押し、人の気持ちが前向きになるようなことがない限り、なかなかこの飲食店の悲鳴は抑えられないのではないかなというふうに思っています。それが五類にすることではないかなというふうな認識でいます。  これは本当に政治判断でどのタイミングで出すのかというのは、もうこれから国のほうでも議論されると思いますが、私としては、分科会のメンバーであり、知事会の会長である平井知事にこの議論をリードしていただけないかなというふうに思っています。  ぜひとも、多分同じ話をしているのだと思いますけれども、もう一度その辺、どうかお答えください。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて川部議員のほうからお話がございました。  恐らく方向性は同じことを論じているのではないかと思いますが、若干私なりのコメントをさせていただければですね、先ほど申しましたように、割と学者の皆さんは慎重に構えているところがあって、季節性のインフルエンザの致死率が0.09、そして新型コロナのオミクロンが0.13、高い、さらにこれはもうちょっと上がるだろうというふうに見ておられる。それがまだ治せないということがあって、慎重に見ておられるということがあります。ですから、ある程度そうしたことは前提にして、やはり付き合い方を考えていくのかなと。  今おっしゃった、このウイルスが、オミクロンがなくなるというお話があるのですけれども、2つ、今の皆さんの分析の状況を共有したほうがいいかなと思うのですが、一つは、オミクロンがそう簡単になくなりそうもないということです。それは今までのデルタとはちょっと違うのですね。デルタ株のときは、私はよく分科会で申し上げて、暴論だと皆さん聞いていたのかもしれません。最近、皆さんも結構真面目に考えられて、それを今度は分析を今されている感じがするのですが、ある意味、敵前逃亡のようにデルタ株がいなくなったのです。これは本当に不思議な現象だったです。  それは、やはり後づけのお話としていろいろ最近皆さん議論されているのは、爆発的に感染が広がるというのが、これはコロナの特徴なのですね。それで、意外に伝わらないときは伝わらないのです。ただ、一定の条件、特に密になったら爆発的に広がると。それがデルタぐらいだとか、あるいは今回のオミクロンの初期は飲食店でもありましたけれども、今はそれが残念ながら子供がいるところで結構起きやすくなったり、それから職場だとか、そういうように変わってきて、非常に地域に近い関係なので、これが完全に居着いた感じになっているのですね。その居着いたベースがあるものですから、根雪が解けないまま、そこで時々どこかへ入り込んでクラスターを起こすと。そうすると、ここで爆発的に広がっていくというのがあると、また上へ上がっていくのです。これがリバウンド。  本県でも残念ながら、1月に一遍収めまして、174から下げて一旦底に来ましたけれども、また上がり始めたのは、同じような次第でございまして、2月の連休ぐらいに何かあって、そこからまたクラスターが幾つか大きいのが起こってくると。それが見えないところでいろいろつながっていたりしてどんどん広がっていって、2回目の山が起きたと。今下げています。下げていますけれども、これがまた上がらないとも限らないわけですね。同じことが起こるとまた上がっていくと。  現に隣の島根県さんだとか、いろいろと今まで抑えていた県が結構今上がってきています。我々の地域は、どちらかというと、免疫が薄い地域になりますから、そういうところでは、まだまだ広がる余地は逆にあるということですね。  こういうことが繰り返されているものですから、今の高原状のまま来ていて、これがちょっと行ったり来たりしているのですね。鳥取県は、今、直下では、東部も中部も西部も実効生産数は1を切っています。0.8とか0.9ぐらい。かなりのスピードで今落ちてきていると。ですが、これがまたすぐにクラスターが起きると上がっていくということになるのですね。  全国を見ても、物すごい勢いで減っているかというと、そうでもない。だから、それは今までとは違った感染構造になっていて、飲食店だとかを中心にある特定の分野で広がっていったのではなくて、まちの中で完全に根づいたというところが厄介なところです。  ですから、これを消すためにはよほどのことがないとできないわけでありますが、それがいつ起こるかというのは、多分ワクチンがかなり普及するとか、あるいはもうどんどん薬も普及してやっつけやすくなるとかいうことでもないと、ここは収まっていかないかもしれません。  したがいまして、しばらくは恐らくウィズコロナという状態が起こると思います。このウィズコロナである程度の期間引っ張るということは、今まで実はコロナの中で我々はまだ2年間で体験していないことでありまして、まん延防止等重点措置を全部全国で解除したとしても、実は感染状態はあまり変わらないまま今後推移するということが現に起きるかもしれない。だから、今までとちょっと付き合い方を変えなければいけないので、先ほど申しましたように、例えばイベントは一定の注意をすればいいようにしませんかとか、少しずつ大丈夫なところを開放していくということをやりながら変えていくということかなということですね。  あと、学者の皆さんが割と口をそろえておっしゃるのは、必ず第七波は来るということです。これは新型コロナの特徴として、次の変異というものが起きることを想定せざるを得ないということらしいのです。ただ、そこが第七波がどういう形で現れるかはまだ分からないと。非常に毒性が強い形で出てくるのか、あるいは感染力が強い形で出てくるのか、恐らく感染力は強くなるでしょう。感染力が強くなって、さらにそこに重症化を引き起こす確率が高いものが次に出てこないとも限らない。  だから、今、知事会のほうでは、第4回目の接種も本気で考えければいけないのではないかと言い始めているのですけれども、そういうようなことをやはり対策を取っていかざるを得ないというのがしばらくはあるのだろうなというふうに思います。  そういうようなあまり見たくない未来の姿というのも若干頭に置きながら、賢く私たちは経済社会を回していかなければいけないのだろうというふうに思います。多分だんだんと人々のマインドも変わってくるのではないかなと思います。  第五類に変えるということは、ネットだとか一部の人たちが非常に取り上げられるのですけれども、恐らく大多数の国民は、五類になったからといって、心は切り替わらないと思います。むしろ、医療費がかかってくるとか、何か知らないけれども、収まらなくなってきたということで、かえって不安になって、まちに出なくなるとかいうことにもなりかねない。だから、どちらかというと、二類を五類という議論は、これは冷静に感染症の現実に即してやればいいと思うのですが、むしろどういうふうに経済社会を動かしていくのかというところをシステマチックに出口戦略を考える、あるいはウィズコロナ戦略を考えるというのが多分大事なところにこれからなってくるのではないかなと思います。  議員のほうからもお話をいただきました。私なりに今日も分科会で議論してきましたけれども、また全国知事会としていろいろと主張もさせていただき、何とかみんなが、ある意味、病気はあるけれども、自由に動けるような、そういうところに徐々に持っていけるように努力をしてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)11番川部議員 ◯11番(川部洋君)よく分かりましたというか、多分議論はずっとこういう感じになってくるとは思いますので、また状況を見ながら、改めて進むこともあるかもしれませんが、ぜひ本当に、みんなの願いだと思うのですけれども、一日も早い普通の生活を取り戻すということだと思います。  五類にしたら医療費がかかるというふうなことで何か言われるのですけれども、今、新型インフルエンザ特措法の中で新型コロナウイルス感染症は位置づけられていて、それで二類相当というか、一類、二類相当の対応をしましょうと言っているのですから、例えばこれは医療費などは見ながら、対策についてはやるとか、何かもっと柔軟に制度設計はできるのではないかなというふうには思っています。そこら辺も含めて考えられていると思いますので、これについては聞きませんが、ぜひとも同じ思いでいるということがやはり県民のほうにも伝わって、世の中をしっかり動かしていこうということにしていけたらなと思います。  その上で、送別会のシーズンでございます。県庁の職員さんも、やはりまちに出ていただきたい。何かやはり遠慮があります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)飲食店は大変なのです。気をつけながら店をやってくださいだったら、気をつけて出ましょうということも声かけしてください。ぜひともお願いいたします。終わります。 ◯議長(内田博長君)以上で本日の一般質問並びに議案に対する質疑は終了いたしました。  本日、知事から追加議案11件が提出されました。  お諮りいたします。  この際、これらを本日の議事日程に追加することに御異議はございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議がないものと認め、さよう決定いたします。  それでは、議案第73号「鳥取県人事委員会委員の選任について」から、第83号「鳥取県廃棄物審議会委員の任命について」までを一括して議題といたします。  知事に提案理由の説明を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)ただいま追加提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  議案第73号、鳥取県人事委員会委員の選任につきまして、上田博久委員から3月31日をもって委員を辞職する旨の申出がありましたので、その後任として、長年にわたり、事業経営の傍ら、日野町商工会副会長を務めるなど、地域経済の発展に尽力されるとともに、教育振興においても幅広く活躍されてきた細田耕治氏を選任しようとするものであります。  次に、議案第74号及び第75号、鳥取県収用委員会委員の任命につきましては、松本啓介及び安谷潔美委員の任期が3月31日をもって満了しますので、その後任に、一級建築士として専門知識や活動経験をお持ちである入澤穂津美氏、弁護士として専門知識と活動経験をお持ちである木村潤氏を任命し、その識見と御経験を収用案件などの審議に生かしていただこうとするものであります。  次に、議案第76号、鳥取県男女共同参画推進員の任命につきましては、北野彬子委員の任期が来る3月31日をもって満了しますので、引き続き弁護士としての専門知識や経験、卓越した御識見を男女共同参画の推進に生かしていただきたいと考え、再任しようとするものであります。  次に、議案第77号から第83号まで、鳥取県廃棄物審議会委員の任命につきましては、川本克也委員、後藤知伸委員、武田育郎委員、谷口麻有子委員、花嶋温子委員、浜田あけみ委員及び湯口夏史委員の任期が3月31日をもって満了しますので、引き続きその御識見と御経験を廃棄物行政に生かしていただきたいと考え、再任しようとするものであります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ◯議長(内田博長君)以上で提案理由の説明は終わりました。  お諮りいたします。  議案第73号から第83号までは、委員会付託等を省略することに御異議はございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認め、さよう決定いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時58分散会    ────────────────...